3月のスマートフォン業界は、次世代SoCや新モデルの登場を前にした「嵐の前の静けさ」といえる状況でしたが、そんな中でもAnTuTuのパフォーマンスランキングでは注目すべき動きがいくつか見られました。特に、MediaTekのフラッグシップチップ「Dimensity 9400」がトップに返り咲いた点は見逃せません。
フラッグシップ部門:vivo X200 Proが堂々の1位

今月のフラッグシップ部門で1位を獲得したのは、vivoの「X200 Pro(衛星通信対応モデル)」。搭載されているのは、MediaTekの最新チップ「Dimensity 9400」で、平均スコアは2,902,298点という驚異的な結果を叩き出しています。
vivoはこのSoCをいち早く採用し、チューニングにも時間をかけてきたことがスコアに表れています。処理性能だけでなく、カメラやデザイン、バッテリー持ち、UIの完成度までバランスよく仕上がっており、まさに“全部入り”のハイエンド機として高い評価を受けています。
2位はiQOO 13、性能重視の設計が好結果に
第2位にランクインしたのは「iQOO 13」。Snapdragon 8 Eliteを搭載し、平均スコアは2,885,754点。iQOOシリーズの中でも、とくに“性能特化”に振り切ったモデルであり、ゲーム用途や高負荷アプリに強い設計となっています。
派手さは控えめながら、コストパフォーマンスと実用性を重視するユーザーにとっては非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
コスパ重視のiQOO Neo10 Proが3位に
第3位には、再びDimensity 9400を搭載した「iQOO Neo10 Pro」がランクイン。平均スコアは2,817,285点。Neoシリーズは価格を抑えながらも性能を確保するという戦略で人気を集めており、今回も例外ではありません。
性能だけでなく、デザインやカメラにも力が入っており、「お手頃だけど妥協しない」スマホを探している人にぴったりの一台となっています。
次世代を見据える“準フラッグシップ”市場の動向
続いて、準フラッグシップモデルに注目してみましょう。このカテゴリでは、「REDMI Turbo 4」が2カ月連続で1位をキープしています。

- 1位:REDMI Turbo 4(Dimensity 8400-Ultra)
スコア:1,716,923点 - 2位:OnePlus Ace 3V(Snapdragon 7+ Gen3)
スコア:1,452,756点 - 3位:OPPO Reno13 Pro(Dimensity 8350)
スコア:1,373,372点
なお、4月には「Snapdragon 8s Gen4」搭載モデルの登場も予定されており、今後このカテゴリでも勢力図の変化が予想されます。
Androidタブレット部門も現状維持 4月に変動の予感
タブレットのランキングでは、大きな動きは見られませんでした。

- 1位:紅魔ゲーミングタブレット Pro(Snapdragon 8 Gen3 Leading Edition)
スコア:2,177,341点 - 2位:OnePlus Pad Pro(Snapdragon 8 Gen3)
スコア:2,051,263点 - 3位:Lenovo Legion Y700(2025年モデル)(Snapdragon 8 Gen3)
スコア:2,012,735点
性能重視のモデルが上位を占めており、特にゲーム用途や重いアプリでの快適な動作を求めるユーザーには最適な選択肢となっています。とはいえ、4月にはvivoとOPPOが新型タブレットを発表する予定があり、久々に順位が動く可能性が出てきました。
3月のAnTuTuランキングでは、MediaTekが再びパフォーマンスで主役の座に返り咲くなど、興味深い展開が見られました。フラッグシップからミッドレンジ、タブレットまで、各社の最新モデルがしのぎを削る中、4月以降の新製品ラッシュに向けて市場全体がさらに活気づくことが期待されます。性能重視のユーザーにとっては、今が次の一台を選ぶ好機かもしれません。