
販売停止にまで発展したXperia 1 VIIの電源まわりの不具合。現時点ではソニーから公式な原因説明はないものの、修理対応では「基板交換」が実施されており、ハードウェア起因の可能性が高いと見られています。
そんな中、この不具合と生産委託先との関係に注目が集まっています。
フラッグシップで初のOEM生産、委託先は「華為技術」
Xperia 1 VIIは、ソニーのフラッグシップモデルとしては初めて自社工場ではなく、外部のOEM(他社製造)に生産を委託したモデルです。その委託先として判明しているのが中国の「華為技術(Huaqin Technology)」。
この企業は、普段はエントリーモデルやミッドレンジモデルの製造を多く手がけており、フラッグシップ製品の製造経験は限定的とされていました。しかし、ここで気になる事実が浮かび上がってきます。
ASUSの「Zenfone 8」との不気味な共通点
スマホ関連メディア「Blog of Mobile」の報道によると、華為技術は過去にASUSのフラッグシップモデル「Zenfone 8」(2021年発売)の生産も請け負っていたとのこと。
Zenfone 8といえば、当時「ramdump文鎮化」と呼ばれる深刻な不具合が話題になった機種です。症状としては、突然画面が暗転→自動再起動→ブートループに入り、そのまま端末が起動不能に陥るというもの。
これは、現在Xperia 1 VIIで報告されている症状と極めて酷似しています。
「偶然」とは思えない一致
もちろん、同じ生産委託先であるというだけで、同様の不具合が発生するとは限りません。また、Zenfone 8とXperia 1 VIIでは設計も仕様も異なるため、単純な比較はできません。
しかしながら、近年ではスマートフォンの“文鎮化”が大規模に報告される例は非常にまれです。しかも、数少ないその事例において、共通しているのが同一の委託生産企業であるという点は、偶然とは片づけにくいものがあります。
ソニーの品質管理体制にも疑問
今回の一連の流れは、Xperiaブランドにとって単なる製品トラブル以上の意味を持ちます。自社での製造からOEMへの移行により、品質管理や製造プロセスの可視性が下がった可能性も指摘されており、今後の製品戦略にも大きな影響を与えかねません。
Xperia 1 VIIの修理対応や販売再開の時期も含め、ソニーからの今後の発表が待たれるところです。そして同時に、次期モデル「Xperia 1 VIII」の品質に対して、ユーザーの目はより一層厳しくなっていくことは間違いありません。