Samsungの最新フラッグシップ Galaxy S25シリーズ が、同社のメモリチップやストレージを採用せず、 Micron製のLPDDR5XメモリとUFS 4.0ストレージ を搭載していることが明らかになりました。これまでGalaxyのハイエンドモデルは自社製チップを使用してきましたが、今回は異例の決定となっています。その背景には、2024年のSamsungの半導体事業における課題が影響しているようです。
Micron製チップを採用した理由とは？
Samsungは長年、自社製のメモリやストレージをGalaxyシリーズに搭載してきました。しかし、2024年には 半導体事業がさまざまな問題に直面 し、特にメモリチップの性能面で競争力が低下していたと報じられています。
Micronは、最先端の 1β（1ベータ）プロセス技術 を採用し、より高いエネルギー効率を実現したメモリを生産しています。スマートフォンにおいて消費電力の最適化は重要な要素であり、Samsungの自社製メモリはこの点で期待された水準に達していなかった可能性があります。
特に、今年1月には Samsung製メモリの発熱問題 が指摘されており、消費電力の高さが原因でGalaxy S25シリーズの品質基準を満たせなかったとされています。これにより、Samsungはやむを得ず競合企業であるMicronからチップを調達する判断を下したと考えられます。
今後、Samsung製チップが復活する可能性も？
1月の時点で、Micron製のメモリは 「初期出荷分」に搭載される との報道がありました。これが事実であれば、Samsungは今後の生産ロットで自社製チップに切り替える可能性もあります。
さらに、Samsungはメモリの製造プロセスを 13nmから12nmへと改良 する計画を進めており、この新しいチップがMicron製と同等、あるいはそれ以上の性能を発揮できるかが注目されています。
Galaxy S25シリーズに見られる「ハードウェアの変化の少なさ」
Galaxy S25シリーズは、前モデルと比較して ハードウェア面での大きな進化が少ない とも指摘されています。その背景には、Samsungが RAM、ストレージ、SoC（プロセッサ）などの主要コンポーネントを外部調達 せざるを得なかった事情があるのかもしれません。
特に、全モデルにQualcommのSnapdragon 8 Eliteを採用したことで、Samsungは追加コストを負担することになりました。自社のExynos 2500 SoCが3nmプロセスの問題で量産できなかったことも、外部調達の増加につながった要因のひとつです。
このような状況を踏まえると、Samsungは2024年の半導体事業の苦戦によって コスト構造が厳しくなり、利益率の縮小 を余儀なくされている可能性があります。その結果、Galaxy S25シリーズではハードウェアの革新よりも、安定した供給と品質を優先したと考えられます。
今後、Samsungが自社製チップを復活させ、再び競争力を取り戻せるかどうかが、次世代のGalaxyシリーズにとって重要なポイントとなるでしょう。
