ここ最近、アマゾンプライムビデオやネットフリックスといった主に有料動画サービスを提供しているアプリで突然HD以上の画質でのストリーミング再生ができなくなった、という報告をよく見かけます。
その結果、動画の画質が大幅に落ち、SD再生になってしまっているという方が結構いるようです。
この問題、どうやら調べてみるとWidevineというデジタル著作権管理に関する機種ごとのステータスが関係していることがわかりました。
Widevineとは?
WidevineとはGoogleの親会社であるAlphabetのグループ会社Widevine Technologies(つまりGoogleの兄弟会社)が提供しているDRM(デジタル著作権管理方法)。
WidevineにはWidevine L1からL2、L3までのセキュリティレベルが存在。
L1が最も強く、L3が最も弱く、3つのセキュリティレベルは、機種がどれだけセキュリティ要件を満たせているかによってステータスが決まります。
Widevine L1ステータスのスマートフォンはWidevine L3のものよりコンテンツ保護の観点から「安全」と見なされ、より多くのコンテンツを楽しむことができます。
例えばAmazonプライムやNetflixなどではL1の機種はHD以上の画質で動画を再生できますが、L3の機種は画質がSDに制限されます。
何らかの理由でL1がL3扱いに?
そして今まで観れていたHD動画の画質が突然落とされてSDになった、というのはどうやらこのWidevineステータスが関係している模様。
具体的には何らかの理由・原因によりそれまでL1だったWidevineステータスがL3になる、あるいはL3扱いになってしまうという現象が起きているようです。
海外でもXiaomi製機種で報告が挙がっており、最近Android PoliceでもASUS ROG Phone3で同様の症状が出ていることを伝えています。
なお、このASUS ROG Phone 3のケースではアップデートなどでは修正は不可能で、端末をASUS側に送る必要があるようです。
AQUOS sense4シリーズでも該当症状の報告あり
また、海外で報告されているものと酷似したケースが国内専用モデルでも発生しており、以下は5ちゃんねるのAQUOS sense4 Plusのスレッド上に投稿されていたもの。
ご覧のようにWidevineのセキュリティレベルがL1とL3の両方表示されています。
なお、5ちゃんねるユーザーの一人によると、L1→L3への格下げは開発者サービスのキャッシュを削除すると発生し、再起動をするとまたL1に戻る、とのこと。
ただ、価格.comのAQUOS sense4 plusについての書込みにはDRM info(Widevaneステータスをチェックするアプリ)では「L1」と表示されていてもNetflixアプリの再生仕様では「L3」となっており、実際にはHD再生はできない、との報告も。
不具合ではなく、本当の「格下げ」の可能性も
一方、この件について調べている中で、かなり気になる情報もでてきました。
これはQiitaというデベロッパーなどが情報交換をするサイト上でNTTドコモの動画配信関連の開発を担当している、という方が掲載していた記事からの抜粋:
要は、一連のHD動画が観れなくなると言う問題は一部機種でセキュリティーの見直しがありL1→L3に格下げされた機種がある可能性がある、ということ。
もしそうだとすればこれは何らかのエラーや不具合ではなく、Google側によるセキュリティースタンダードの変更、ということになり、永久的にHD動画が観れない、という可能性もあることになります。(特に古い機種は)
ただ、AQUOS sense4シリーズやROG Phone3といった新しい機種でこういった問題が起きている、というのはやはり別の「何か」がおかしい気もします。
いずれにせよ現時点ではまだ情報が乏しいので、また何か進展があれば記事を更新します。
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