昨日、台湾のチップメーカー、MediaTekが正式発表したハイエンド向けチップセット「Dimensity 9200」。
今月末の発表が予想されているクアルコムの次世代チップセット、Snapdragon 8 Gen2の強力なライバルになると言われており、性能的にも拮抗している模様です。
MediaTek Dimensity 9200プロセッサの仕様
MediaTek Dimensity 9200は、TSMCの第2世代4nmプロセスをベースにしており、より優れた放熱性を提供。CPUのピーク性能の消費電力は、前モデルと比較して25%削減されているとのことです。
また、Dimensity 9200は、ARMv9アーキテクチャに基づくクロック3.05GHzのARM Cortex-X3プライムコアを初めて内蔵しており、2.85GHzのARM Cortex-A715コアが3個、1.8GHzのCortex-A510コアが4個というコア構成になっています。
このSoCには、ハードウェアベースのレイトレーシング・エンジンと可変レート・レンダリング技術を搭載した新しいARM Immortalis -G715 GPUも搭載。
なお、同チップは少し前に発見されたAnTuTuベンチマークでは、すべてのAndroidフラッグシップモデルを上回る126万点のスコアを記録しています。
Dimensity 9200は他に、LPDDR5 RAMとUFS 4.0ストレージ対応、60Hzの5K解像度、144HzのWHQD、240HzのFHDのディスプレイを最大2台までサポートします。
また、Miravision 980ディスプレイ技術も新たに採用。
プロセッサーには、前世代から35%の改善を実現した第6世代のAI NPU(APU 900)を搭載。このSoCは、すべてのビジュアルアプリケーションにおいて、AI-NRで30パーセント、AI-SRで45パーセントの電力削減を実現するとされています。
さらに同チップにはRAWの高速撮影が可能なRGBWセンサーのネイティブサポートをもたらすImagiq 890 ISPを搭載し、30パーセント以上の光量、シャープで明るい低照度のHDRビデオと写真を提供します。
なお、このSoCは世界初のWiFi-7対応プロセッサーで、サブ6GHzとmmWaveの両方の接続に対応した内蔵5Gモデムを統合しています。
また、同チップセットの発表会では、Dimensity 9200を搭載予定のスマートフォンメーカーのトップからの動画も流された模様。
これによると、少なくともVivo、Oppo、Xiaomi、Honor、ASUSの4社は同チップを搭載したモデルを展開するとのことです。
ちなみにこれらのブランドはいずれも今年、Dimensity 9000 (シリーズ)を搭載したモデルを展開していますが、今回のDimensity 9200でも中国・台湾メーカー以外の名前は出てきていません。
ミッドレンジ市場では確実にシェアを拡大していると言われているDimensityですが、やはりまだ中国・台湾以外のメーカーに採用されるのには少し時間がかかるのでしょうか。
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