2019年に新ネーミングルールのもとリリースされたXperia 1、5、10シリーズ。
国内では一時的に「8」が展開されるなど、イレギュラーな機種が投入されることもありましたが、この1、5、10は初代から2022年のIVまで毎年リリース。
というわけで今回は、このXperia 1シリーズとXperia 10シリーズが4世代に渡ってどの程度の性能進化を遂げてきたのか。そしてその性能進化の幅、スピードにどの程度の差があるのか、というのを見てみたいと思います。
Xperia 1シリーズ vs Xperia 10シリーズ、性能進化率の比較
Xperia 1→1 IVのベンチマークスコア変化
Antutu | Geekbench (シングルコア) | Geekbench (マルチコア) | |
Xperia 1 (SD855) | 520985 | 741 | 2635 |
Xperia 1 II (SD865) | 651623 | 934 | 3463 |
Xperia 1 III (SD888) | 803088 | 1132 | 3713 |
Xperia 1 IV (SD8Gen1) | 1045843 | 1216 | 3804 |
Xperia 10→10 IVのベンチマークスコア変化
Antutu | Geekbench (シングルコア) | Geekbench (マルチコア) | |
Xperia 10 (SD630) | 136410 | 176 | 986 |
Xperia 10 II (SD665) | 198928 | 317 | 1365 |
Xperia 10 III (SD690) | 347806 | 606 | 1856 |
Xperia 10 IV (SD695) | 404216 | 697 | 2033 |
ここで使用しているデータはそれぞれのXperiaに搭載されているチップセットのベンチマーク・データをnanoreview.netから引用しています。
初代→IVのベンチマーク上昇率
Xperia 1→1 IV | Xperia 10→10 IV | |
Antutu | 100.74% | 196.32% |
Geekbench シングルコア | 64.10% | 296.02% |
Geekbench マルチコア | 44.36% | 106.19% |
ミッドレンジXperiaの性能向上はハイエンドよりもかなり速い
ご覧のように、Xperia 1→1 IVでAntutuスコアは2倍ほどですが、Xperia 10 IVでは3倍ほどに。
また、GeekbenchのマルチコアでもXperia 1→1 IVが4割程度の上昇なのに対し、Xperia 10→10 IVではスコアが2倍以上に伸びており、シングルコアのスコアにおいてはその伸び率の差はさらに開いています。
つまり、ミッドレンジXperiaはハイエンドXperiaよりもはるかに速いペースで進化している、ということ。
ハイエンドが相対的に「高い」、そして売れないのも納得?
なお、ここでは日本で馴染みの深いXperiaを例に比較してみましたが、これはXperiaに限った話ではありません。
近年のミッドレンジ機種(厳密にはミッドレンジ向けチップセット)の進化は目を見張るものがあります。
対照的に、ハイエンド向けチップセットはSnapdragon 8シリーズは数年前と比べるとベンチマークスコアの伸びは鈍化しているという印象がぬぐえません。
ハイエンドモデルが売れない昨今。(私は勝手に「ハイエンドモデル不況」と呼んでいます)
その一因としてハイエンドモデルの価格上昇がよく話題になりますが、こうやって性能を比べると単純にハイエンドモデルのぜってい的な価格が上昇している、というよりも、ミッドレンジが性能の割に相対的に安くなってきているのも大きな理由のような気がします。