
米国のトランプ一族に関連する通信サービス「Trump Mobile」で、顧客情報が大規模に流出したとする情報が明らかになりました。ハッカー集団のBYODは、Trump Mobileに不正アクセスを通知した際、運営側から「対応するチームがない」と返答されたと主張しており、その後、約3,615人分とされる顧客情報をダークウェブ上に公開したとしています。
今回の流出について、Straight Arrowが確認した情報によると、公開されたデータには顧客の氏名、メールアドレス、電話番号、自宅住所、Trump Mobileでの注文情報などが含まれているとされています。通信サービスの利用者に関する情報がまとめて流出した可能性があり、プライバシーへの影響が懸念されます。
ハッカー側は「対応するチームがない」と主張
BYODは、Trump Mobileに侵害を知らせたところ、運営側から十分な対応体制がないことを示す返答を受けたと主張しています。さらに、同社をハッキングする人物を「テロリスト」と呼ぶ趣旨の発言もあったとしており、今回の対応をめぐって新たな批判を招きそうです。
ただし、現時点でTrump Mobile側がこの主張を正式に認めたわけではありません。また、今回公開された情報が本当にTrump Mobileの全契約者に関するものなのか、流出経路やデータの真正性についても、さらなる確認が必要です。
Trump Mobileは、大手通信事業者のネットワークを利用してサービスを提供するMVNOです。今回の情報が事実であれば、同社の契約者数は約3,615人だったことになります。
T1 Phoneをめぐっては過去にも情報流出
Trump Mobileをめぐっては、今回が初めての情報流出問題ではありません。
今年5月には、同社が販売するスマートフォン「T1 Phone」の予約者など、およそ3万人分の個人情報が流出したと報じられました。100ドルの予約金を支払ったユーザーを含む初期顧客の情報が対象になったとされています。
Trump Mobileは当時、同社の業務を支える第三者プラットフォームに起因する問題だったと説明しました。一方で、影響を受けた顧客に通知する必要があるかどうかを検討している段階だとする説明もあり、対応の遅さが批判を招いていました。
さらに、T1 Phoneそのものについても、端末の実態をめぐって疑問が相次いでいます。修理情報を公開するiFixitの調査では、T1 PhoneとHTC U24 Proの間に、メインボードやディスプレイ関連のコネクターなどで共通点があることが確認され、実質的にHTC端末をベースにした製品ではないかとの指摘が出ています。
T1 Phoneは6.8インチディスプレイ、5,000mAhバッテリー、512GBストレージ、3.5mmイヤホンジャックなどを備えています。microSDカードに対応するハイブリッドSIMスロットや充電器の同梱など、現在では珍しくなった仕様も特徴です。
広報体制にも変化
Trump Mobileをめぐっては、広報面でも変化が起きています。
同社は2025年6月、Poplar Groupとサービス契約を結んでいました。同社のChris Walker氏は当時、T1 Phoneが米国で製造されていると説明していましたが、その後、Poplar GroupはTrump Mobileの広報業務から離れています。
現在はT1 Phoneについて、「米国で組み立てられている」という表現へとマーケティング上の説明も変更されています。
なお、今回流出したとされるデータを調査したStraight Arrowによると、トランプ一族の家族に関連する情報が流出した形跡は確認されていないとのことです。そもそも家族がTrump Mobileを契約していなかった可能性もあり、意図的に除外されたのかどうかは明らかになっていません。
Trump Mobileが今回の情報流出について正式な声明を出すのか、また流出したとされるデータが実際の顧客情報なのかについては、今後の対応が注目されます。過去にも顧客情報の流出をめぐる問題が報じられているだけに、今回の件が事実であれば、同社のセキュリティー対策や危機管理体制が改めて問われることになりそうです。


