
日本ファルコムが、これまでのPlayStation(PS)プラットフォームに焦点を絞った優先的な開発・発売体制を見直し、全世界向けマルチプラットフォーム同時展開へ大きく舵を切ることが明らかになりました。
同社の近藤季洋社長がメディアのインタビューで明かしたもので、Nintendo SwitchやPC(Steam)における新規プレイヤーの急増と、グローバル市場での展開力が背景にあります。
これまでPS優先だった理由―「ギリギリまで続くシナリオ変更」とリソースの壁
日本ファルコムの代表作である『軌跡』シリーズなどは、長年にわたりPlayStation向けに先行して開発・発売されてきました。
近藤社長によると、完全新作の開発では開発の最終盤(納期ギリギリ)までシナリオや膨大なテキストの修正・変更が続くのが常であり、複数のプラットフォームに向けた同時開発や移植作業を並行して行う社内リソースが不足していたことが主な要因でした。そのため、まずは単一のプラットフォーム(PlayStation)にリソースを集中させざるを得ない状況が続いていました。
SwitchとPCで新規層が急増、リメイク作で成功した自社主導の「同時展開」
しかし現在、同社作品に新しく触れるプレイヤーの圧倒的多数が、Nintendo SwitchおよびPC(Steam)から流入しているという大きな変化が生じています。
こうした市場環境の変化を受け、同社は『英雄伝説 空の軌跡 the 1st』のリメイクプロジェクトにおいて新たな試みに挑戦しました。既存の完成されたシナリオをベースにすることでテキスト変更の負荷を抑え、自社主導による「Switch / PC / PS」への全世界同時マルチプラットフォーム展開を実現させています。
今後のファルコム―マルチプラットフォームと世界展開が「基本の形」に
近藤社長は、今後の自社IP(知的財産)の継続と成長のためには、特定のハードウェアに依存するのではなく、世界中のゲームファンに向けて複数のプラットフォームで同時に届けることが不可欠であると強調しています。
これにより、同社は従来の「PlayStation優先」というアプローチを事実上終了し、最初からグローバルなマルチプラットフォーム展開を前提とした開発体制へと本格的に移行することとなります。


