Xperia 1 VIIIとGalaxy S26 Ultraの性能差、実用重視の新ベンチマーク基準で縮小へ

先日、定番ベンチマークソフトの最新版「Geekbench 7」のリリースと、それに伴う評価基準の大幅な刷新についてお伝えしました。

これまで当サイトでは、Xperia 1 VIIIのベンチマーク性能に関して「Galaxy S26 Ultraを含む他のSnapdragon 8 Elite Gen 5搭載機と比較してスコアが伸び悩んでおり、一歩劣る」という評価を下してきました。しかし、より実用的な処理能力を測る新基準「Geekbench 7」のデータを用いて改めて両機種を比較したところ、Xperia 1 VIIIの相対的なパフォーマンスが向上し、Galaxy S26 Ultraとの性能差が大きく縮まっていることが判明しました。

新基準によって両者のギャップにどのような変化が生じたのか、以下の詳細な比較データをご覧ください。

【スコア比較表】Geekbench 6 vs Geekbench 7

旧バージョン(Geekbench 6)と新バージョン(Geekbench 7)における、両機種の平均スコアと性能差をまとめた表です。

※Geekbench 6と7は測定基準が異なるため、スコア自体の縦の比較(GB6とGB7の直接比較)はできません。同じバージョン内における「両機種の差」にご注目ください。

測定バージョンテスト項目Galaxy S26 UltraXperia 1 VIII両機のスコア差Xperiaの比率(対Galaxy)
Geekbench 6シングルコア3,6293,31531491.3%
Geekbench 7シングルコア3,1532,96918494.2%
Geekbench 6マルチコア10,9489,0881,86083.0%
Geekbench 7マルチコア11,1629,8371,32588.1%

シングル・マルチともにXperia 1 VIIIが猛追

比較表から明らかなように、Geekbench 6からGeekbench 7への基準移行に伴い、シングルコア・マルチコアの双方で両機の性能差が縮まっています。

  • シングルコアの傾向Geekbench 6では314ポイントあったスコア差が、Geekbench 7では184ポイントまで縮小しました。Galaxyのスコアを100%とした場合の相対比率でも、91.3%から94.2%へと上昇し、差を詰めています。
  • マルチコアの傾向さらに顕著な変化が見られたのがマルチコア性能です。以前のGeekbench 6基準では1,860ポイント(相対比率83.0%)と、他機種に遅れをとっている印象を決定づける大きな開きがありました。しかし、Geekbench 7では1,325ポイント(相対比率88.1%)までギャップが埋まる結果となっています。

なぜ相対的な評価が向上したのか? 新テスト環境と実用性能

当サイトで以前Xperia 1 VIIIの性能を「劣る」と評価したのは、あくまでGeekbench 6における「ピークスループット」を基準とした際の結果でした。Geekbench 6では、すべてのコアへ一律に高負荷をかけるような処理が評価の一定割合を占めていました。

しかし、Geekbench 7では単なるピークパワーの測定から「実際のアプリケーションにおける実用性能」に重点を置いた評価へとシフトしています。実際のアプリが複数コアをフル活用しないテストがマルチコア評価対象から除外され、AI画像処理、AV1エンコード、Whisper音声認識など、現代の用途に合わせた高負荷処理が追加されました。

この新基準のもとでXperia 1 VIIIがスコア差を詰めたということは、同機が「限界まで負荷をかける合成テストでのピーク値」ではGalaxyに譲るものの、「実際のアプリ動作やマルチタスク、AI処理といった現実的なユースケース」においては、Galaxy S26 Ultraに肉薄する高い実力を持っていることを示唆しています。

まとめ:Xperia 1 VIIIの実力は「実用面」で再評価の余地あり

カタログスペックや従来の合成ベンチマークでは他機種に見劣りしているように見えたXperia 1 VIIIですが、AI時代を反映したGeekbench 7の登場により、その「実用的なパフォーマンスの高さ」が浮き彫りになってきました。

今回のデータは、スマートフォンの性能を測る上で、従来のピークスコアだけでなく「体感性能に近いスコア」に目を向けることの重要性を示しています。今後の端末選びにおいて、Xperia 1 VIIIは新たな基準で再評価されるべき存在と言えそうです。