
ここ数カ月、旧世代Pixelユーザーの間で静かに広がっていた「Google ウォレットが使えない」という報告が、ここにきて深刻さを増しています。単なる不具合と思われていた現象の背景に、より重大なセキュリティ上の問題がある可能性が浮上しています。
対象はPixel 4から5aまで広範囲か
影響が指摘されているのは、Pixel 4、Pixel 4 XL、Pixel 4a、Pixel 4a 5G、さらにPixel 5やPixel 5aの一部とされています。
ユーザーの報告によると、Google Playストア上で「端末は認定されていません」と表示されたり、Play Integrity APIの検証に失敗したりするケースが確認されています。最も分かりやすい症状は、Google Walletでタッチ決済が利用できなくなることです。
しかも、これらの端末は改造やroot化をしていない純正状態で、ブートローダーもロックされたまま。初期化や公式ツールによる再書き込みを行っても改善しないとの声が目立ちます。
背景に「Play Integrity API」の仕様変更
問題のタイミングは、Googleが2024年12月に発表したPlay Integrity APIの仕様変更と重なります。同社はセキュリティ強化の一環として、「meets-strong-integrity」の判定基準を厳格化。Android 13以降の端末では、直近1年以内のセキュリティアップデートが適用されていることを必須条件としました。
この変更は2025年5月までに自動展開されるとされており、現在はすでにその移行期間を過ぎています。セキュリティ更新が終了している旧モデルにとっては、事実上この条件を満たすことが不可能です。
「重大なセキュリティ問題」で信頼失効の可能性も
サポートフォーラム上では、Pixel 4世代に「重大なセキュリティ問題」が見つかり、暗号的な信頼がサーバー側で失効された可能性があるとの指摘も出ています。

実際、Googleサポートとのやり取りの中で「約1万7千台が影響を受け、修正は不可能」と案内されたという報告もあります。また一部地域では、新しいPixel端末購入時に割引を提示された事例も共有されています。
ただし、これらは公式なプレス発表ではなく、サポート担当者やフォーラム上の専門ユーザーの発言に基づく情報である点には注意が必要です。
なぜPixel 3は使えるのか
興味深いのは、さらに古いPixel 3では問題なく通過するケースがあるという報告です。単純に「古い端末だから排除された」という話ではなく、特定世代のハードウェア設計や認証方式に起因する問題である可能性も否定できません。
とはいえ、Pixel 4シリーズは2022年10月にサポート終了を迎えており、セキュリティアップデートが止まっているのは事実です。強化された整合性チェックの下では、金融系アプリや決済機能が利用できなくなるのは理屈の上では説明がつきます。
今後どうなるのか
一時的な不具合であれば、Google Play開発者サービスやGoogle ウォレットのキャッシュ削除、再インストールで改善する場合もあるようです。しかし、セキュリティパッチの更新要件を満たせないことが原因であれば、ソフトウェア的な解決策は期待できないかもしれません。
現在も問題なく使えているユーザーは、Play Protectの認定状況やIntegrityの判定結果を一度確認しておくと安心です。もし影響台数が本当に約1万7千台規模であるなら、今後さらに大きな話題になる可能性もあります。
旧世代Pixelにとっては厳しい状況ですが、モバイル決済の安全性を優先する流れが加速していることを示す出来事とも言えそうです。

