
サムスンの次期フラッグシップ「Galaxy S26」シリーズが、発売時に価格引き上げとなる可能性が高まっています。ここ数年はコスト上昇を自社で吸収してきた同社ですが、メモリや半導体価格の急騰により、もはや据え置きは難しい状況にあるようです。
AI需要が直撃、メモリ市場が逼迫
背景にあるのは、AI関連需要の爆発的な拡大です。高度な生成AIやデータセンター向けの処理需要が急増し、半導体市場はかつてないほど逼迫しています。
特に影響が大きいのがメモリ分野です。AI向けの高帯域幅メモリHBMの生産が優先される中、従来のスマートフォン向けRAMやストレージ用メモリの供給余力が圧迫されています。メモリ大手でもあるサムスン自身も、生産ラインの再配分を迫られている状況です。
こうした構造的な変化が、最終製品であるスマートフォンの価格に跳ね返るのは避けられません。
Galaxy S25での価格据え置きは異例の判断
実はサムスンはこれまで、段階的な値上げを先送りしてきたと伝えられています。2025年発売の「Galaxy S25」シリーズでは、当初値上げが見込まれていたものの、モバイル部門トップの盧泰文氏の判断で最終的に前モデルと同水準に据え置かれました。
当時も世界的なコスト上昇が指摘されていましたが、現在ほどの深刻さではありませんでした。その結果、S25シリーズは販売面で大きく伸び、価格維持が奏功した形となりました。
しかし、その余力も限界に近づいているとみられます。
自社製Exynosでも安く調達できない現実
興味深いのは、サムスンが自社製プロセッサ「Exynos」を採用しているにもかかわらず、必ずしも有利な価格で調達できていない点です。
報道によれば、サムスンは競合他社よりも大幅に安くExynosを調達できる立場にはないとされています。自社生産であっても、半導体事業全体の収益構造や他顧客との関係を踏まえると、特別価格で回すことは容易ではないという事情があるようです。
Galaxy S26では、欧州向けモデルにExynosが搭載され、米国向けはQualcommのSnapdragon 8 Elite Gen 5を採用するとみられています。ただし、価格上昇は特定地域だけに限定される可能性は低く、業界全体のコスト上昇が製品価格を左右する構図です。
ストレージ無料アップグレードは継続か
もう一つ注目されるのが、予約特典として実施されてきたストレージ無料アップグレードの行方です。メモリ価格が上昇する中、この施策は終了するとの見方もありました。
しかし、現時点では継続の可能性も残されています。価格が引き上げられる場合、こうした付加価値施策が顧客維持の鍵になる可能性があります。
モデル別の価格動向は不透明
値上げ幅の具体的な数字はまだ明らかになっていません。標準モデルのGalaxy S26およびS26+が値上げされる一方で、最上位のUltraモデルは価格を据え置くという見方もあります。
いずれにしても、正式な価格は2月25日の発表イベントを待つ必要があります。
AI需要の拡大という大きな潮流の中で、スマートフォン価格も新たな局面を迎えつつあります。これまでコストを吸収してきたサムスンがどのような価格戦略を打ち出すのか、発表の行方に注目が集まります。

