
Samsungが投入した意欲的な三つ折りスマートフォン「Galaxy Z TriFold」について、耐久性を巡る気になる検証結果が報告されました。メーカーがうたう耐久性能には届かず、早期に異変が見られたとする内容で、初期ユーザーにとっては見過ごせない話題となっています。
8日間にわたる過酷な折りたたみテスト
問題の検証は、YouTube上で配信されたライブ形式の耐久テストです。複数の出演者が8日間にわたりGalaxy Z TriFoldを手動で折りたたみ続け、端末の挙動を確認しました。
その結果、約6万1,000回の折りたたみで最初のヒンジから異音が発生。さらに12万回を超えたあたりで、もう一方のヒンジにも同様の症状が現れました。そして14万4,000回に達した時点で、端末は自然にフラットな状態を保てなくなり、操作時に強い抵抗感が出る状態になったとされています。

メーカー公称値とのギャップ
Galaxy Z TriFoldは、メーカー公称で「20万回の折りたたみに耐える」とされています。これは、1日あたり約100回の開閉を5年間続けられる計算です。しかし今回のテストでは、その約7割にあたる段階で実用性に影響が出始めたことになります。
なお、通常のGalaxy Z Foldシリーズでは、より高い耐久回数がうたわれており、TriFoldの公称値自体が控えめである点も指摘されています。その基準すら下回る結果となったことは、購入を検討するユーザーにとって悩ましい材料と言えそうです。
三つ折りという新領域ならではの課題
三つ折りスマートフォンは、折りたたみ市場の中でも新しいカテゴリーです。Samsungは、HuaweiのMate XTと並び、この分野を切り開こうとしていますが、構造の複雑さは従来の折りたたみ端末とは比べものになりません。
今回のテストではディスプレイ自体は最後まで表示を保っていたものの、ヒンジ部分に問題が出たことで、機構面の難しさが浮き彫りになりました。高額な端末だけに、耐久性への期待が高い分、こうした結果は厳しく受け止められそうです。
初物ゆえのリスクも理解が必要
初代モデルである以上、ある程度の「成長痛」は避けられないという見方もあります。三つ折りという野心的な構造に挑戦した点は評価できる一方、長期間の使用で不具合が出る可能性を理解したうえで購入する姿勢が求められます。
Galaxy Z TriFoldは、革新性と引き換えにリスクも抱えた製品と言えそうです。将来的な改良に期待しつつ、耐久性を重視するユーザーは、今後の世代や実使用での評価を見極めてから判断するのも一つの選択肢でしょう。

