
サムスンが、長年続いてきた「ISOCELL」ブランドに代わる新たなカメラセンサーシリーズを準備している可能性が浮上しています。同社が「Samsung DeepPix」という名称で新たな商標を世界各国で出願していることが確認され、スマートフォン向けカメラ戦略が大きな転換点を迎えるかもしれません。
世界各国で商標出願、用途は“CMOSイメージセンサー”
「Samsung DeepPix」はアルゼンチン、欧州、米国で商標出願されており、書類には“CMOSイメージセンサー”として記載されています。名称から想像されるソフトウェア機能やカメラ効果ではなく、純粋に新しいハードウェアとして扱われる見込みです。

現時点でサムスンは36種類以上のISOCELLセンサーを販売していますが、最近のGalaxyシリーズでは複数世代にわたり同じセンサーを使い続けており、刷新のタイミングが注目されていました。DeepPixが本当に新設計のセンサーであれば、数年ぶりの大幅なアップグレードとなります。

ソニー・OmniVisionの攻勢でサムスンに迫る競争環境
サムスンが新ブランドを準備している背景には、他社による技術革新の加速があります。ソニーは1/1.12型・200MPの「LYT-901」を発表し、独自のQQBCピクセル構造で高いダイナミックレンジを実現。一方、OmniVisionは1/1.1型・200MPの「OVB0D」を発表し、108dB HDRや高飽和電荷容量など、高性能センサーで存在感を強めています。
2026年には中国メーカー各社がこれらの最新センサーを採用するとみられており、サムスンは競争力維持のために新アーキテクチャが求められている状況です。
Galaxy S26 Ultraは従来センサー継続の噂も
一方で、サムスンは次期「Galaxy S26 Ultra」で引き続き1/1.3型のISOCELLセンサーを採用するとの情報もあり、コスト削減が優先されているとも報じられています。こうした背景を考えると、DeepPixは“脱停滞”を象徴する新シリーズとして期待できる存在と言えそうです。
DeepPixを最初に搭載する製品は? まだ確定情報なし
DeepPixを搭載する最初のデバイスが何になるのかは、現時点では推測の域を出ません。商標出願だけではスマートフォン向けか、タブレット、PC、あるいは他のイメージング機器向けかも判断できない状況です。
サムスンは今後、Galaxy A57、Galaxy S26シリーズ、Galaxy Z Flip 8、Galaxy Z Fold 8など複数の新製品を予定していますが、DeepPixが2026年に登場するかどうかは不透明で、デビューがさらに先になる可能性もあります。
今回の商標出願は、サムスンが現在のカメラ技術の枠を超え、新しい方向性を模索している兆しとして注目を集めています。スマートフォン市場で存在感を維持するためにも、次世代センサーとなるDeepPixがどのような形で登場するのか、今後の動向が期待されます。
