
Qualcommは、新型モバイル向けプロセッサ「Snapdragon 8 Gen 5」を正式発表しました。最上位チップ「Snapdragon 8 Elite Gen 5」の一段下に位置するモデルとして、ハイエンド級の性能をより手頃な価格帯のスマートフォンにも届ける狙いがあります。
初採用端末は**OnePlus 15R(OnePlus Ace 6T グローバル版)**で、その後はMotorola、iQOO、Vivoなど各メーカーが採用予定です。
3nm&Oryon CPUで性能大幅強化
Snapdragon 8 Gen 5は、最新の3nmプロセスを採用。CPUにはQualcomm独自の「Oryon」コアを搭載し、最大3.8GHzの高性能コア2基と、最大3.32GHzのパフォーマンスコア6基で構成されています。

Qualcommによれば、従来の「Snapdragon 8 Gen 3」と比較して、ウェブブラウジングやマルチタスク処理、計算性能などで大幅なパフォーマンス向上を実現。GPUは新設計の「Adreno 840」を採用し、広帯域メモリの強化をあえて省略することで、安定したゲーム動作と省電力性を両立したとしています。
ローカル処理が中心の進化したAI体験
AI性能も大きな特徴です。新しいHexagon NPUとAIスタックにより、生成AIの暗号処理、画像・音声を組み合わせたマルチモーダル処理、さらに「持ち上げて話しかける」ユーザー動作を察知する常時センサー型アシスト機能などがクラウドに接続せずに動作します。プライバシー保護にも寄与する仕組みです。
5G・Wi-Fi 7・UWBなど最新規格を幅広くサポート
通信面では、最大10Gbps級の5G通信(ネットワーク環境に依存)に対応し、mmWaveとSub-6の両方式をサポート。さらにNavIC、Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0(低遅延の空間オーディオ対応)、UWBなど、次世代規格もひと通り揃えています。
カメラ機能はトリプル20-bit ISPにより、AIを用いた大容量写真撮影や8K再生に加え、高フレームレート4K撮影、最新HDR形式にも対応。ハイエンドと遜色ない処理性能が期待できます。
Snapdragon 8 Gen 5は、フラッグシップ級の技術をより広い価格帯へ届けていく存在になりそうです。高級機だけでなく、ミドルハイ〜プレミアムモデルまで、2026年以降のスマホ市場の中心を担うプロセッサとなるかもしれません。


