
複数のXperiaモデルで指紋認証が突然使えなくなり、設定項目そのものが消えてしまう──。
ユーザーの間で長年指摘されてきたこの問題について、ソニーが公式サポートページ上で具体的な対処方法を公開しました。正式な不具合発表こそないものの、この掲載により「問題の存在を事実上認めたのでは」と注目を集めています。
指紋メニューが消える問題、1 III・5 III世代以降で多発
今回の対処方法は、文書番号「00298523」(10月8日更新)として公開されたもの。記載された症状は、ユーザー報告と一致します。
- 設定アプリから指紋設定が消える
- 指紋認証が反応せず、失敗メッセージすら出ない
- 再登録をしようにもメニューが存在しない
この現象は特に Xperia 1 III / 5 III、1 IV / 5 IV などで多く報告され、「いつまで経っても直らない」と話題になっていました。しかし、ソニーはこれまで公式に不具合として認めていませんでした。
ソニーが案内する“4つの対処法”

サポートページで案内されている対処方法は以下の4ステップです。
STEP1:再起動または強制再起動
一時的なOSトラブルの可能性があるため、まずは通常再起動、反応がなければ強制再起動を推奨。
STEP2:ソフトウェアアップデート
最新バージョンに更新し、改善がないか確認。
STEP3:指紋設定メニューの再表示確認
メニューが戻った場合は、指紋を再登録。
STEP4:初期化(出荷時リセット)
改善がない場合、スマホを完全リセット。
※ただしバックアップ復元前に動作確認が必要、という厳しい条件付き。
最後はデータ消去を伴うため、利用者にとって負担の大きい対処方法となっています。
“認めないまま対応”のソニー姿勢に疑問も
今回の掲載は「対処法の案内」のみであり、ソニーは依然として不具合・故障としての認定や原因説明を行っていません。
しかし、特定モデルでの症状が広範囲に及んでいることは周知の事実で、X(旧Twitter)やコミュニティには現在も報告が続いています。
- 保証期間外の修理費を請求された例もある
- OS更新後に発生したという報告も多い
- 初期化しても再発したという声も
実質的に“問題を認識しながら責任表明は回避しているのでは”との指摘もあります。
公式に不具合表明をしていない以上、ユーザーの負担が大きい状態は続いたままです。今回のサポートページ掲載が、今後の改善や正式な説明につながるのか、引き続き注目されます。
