
来年登場予定の Android 17 で、ついに複数デバイス間でコピー内容を共有できる 「ユニバーサルクリップボード(仮称)」 が実装される可能性が出てきました。Android Authorityの調査で、新たなクリップボード共有機能の存在が確認されています。
コピー&ペーストが、ようやく“クラウド化”
現在のAndroidでは、標準キーボード Gboard を使ってコピー・ペーストは可能ですが、その内容が別のスマートフォンやタブレットへ自動的に同期される仕組みはありません。
一方、Googleは近年、クリップボードへのアクセスを厳しく制限してきました。
- Android 10:アプリやキーボードがクリップボードを自由に読み取れなくなる
- Android 13:履歴が1時間後に自動消去/アクセス時には警告表示
こうした仕様が障壁となり、Gboardだけでは複数端末間で内容共有ができない状況が続いています。
先行しているのはMicrosoft
実は、Androidでデバイス間共有を実現したい場合、標準のGboardではなく MicrosoftのSwiftKey を使う必要があります。
理由は、Microsoftが WindowsとSwiftKeyの間でクリップボード連携を提供している ためです。
一部のAndroid端末は、プリインストールされたシステムツールが制限を回避し、Windowsと連携できることもあるなど、メーカーごとに仕様が混在している状況です。
PixelとChromebookでも連携?

今回のユニバーサルクリップボードが実装されれば、Google版のエコシステムが確立される可能性があります。アプローチとしては、
- Android ⇄ Chromebook:Google Play 開発者サービス経由で同期
- Pixel特有の動作:Pixel System Serviceが担当(Playサービスとは別処理)
といった形になると見られています。
この機能名はまだ確定していませんが、最新ベータ版には UniversalClipboardManager というクラスが確認されており、開発が進んでいることは確実です。
進む“iOS化”戦略
Googleは最近、iOSとの境界を徐々に薄くするような動きを進めています。
- Quick ShareがAirDropと直接連携
→ Android/iPhone間のファイル共有がスムーズに - NameDrop類似機能を開発中
→ 端末同士を近づけて連絡先交換が可能に
そして今回、コピー内容まで端末間で共有可能になれば、いよいよiOSの「連続性機能(Continuity)」に迫ることになります。

