
GoogleのPixel 10シリーズで、旧世代のQiワイヤレス充電器を使うと極端に充電速度が落ちたり、途中で充電が停止したりするケースが相次いでいます。Android Authorityが独自に検証したところ、この問題はユーザーの体感だけではなく実際に再現する現象であることが分かりました。
旧Qi充電器では3〜5Wしか出ないケースも
Pixel 10シリーズは、Googleが新たに採用したMagSafeライクな「PixelSnap」に対応し、Qi2充電で最大15W(Pro XLは25W)をサポートします。一方で、これまで一般的だったQi 1.x充電器をPixel 10に使うと、本来10〜15W出るはずのパッドでも5W程度しか出ないという声が国内外で多数上がっていました。

Android Authorityのテストでも、Pixel 9シリーズでは12W近く出せていた同じ充電器が、Pixel 10では3〜5Wしか出ないという結果が確認され、端末側の仕様変更による影響が強く疑われています。
実際、Redditなどでも「数分で充電が停止する」「異常加熱して止まる」「8時間以上かかる」といった報告が増えており、ユーザーの不満を招いています。
実測テストで分かったPixel 10の“厳しい挙動”
Android Authorityは、Pixel 9/9 Pro XL/10/10 Pro XLの4台と、複数のQi・Qi2対応充電器を使って詳細な検証を実施しました。その結果、次のような傾向が見られたとしています。
- Anker 622/633(Qi 7.5W)
・理論値(診断ツール):5W
・実測(Inware):約3.7W - SwanScout 710G2(10W)、Baseus MagSafe 15W
・理論値:5W
多くの旧Qi充電器では、Pixel 10シリーズは最大5Wまでしか引き出せない動作になっていると見られ、Pixel 9で問題なく高速充電できていた環境でも大幅な遅さになります。

また、Pixel 10 ProでSamsung Wireless Charger Duoを使用したケースでは、15W対応のはずが5Wに制限され、数分で充電が停止する問題も確認されています。
ソフトウェア更新で改善した例もあるが、依然として不安定
一部のユーザーからは「11月アップデートで改善した」という声もあるものの、Android Authorityの記者による再検証では依然として速度低下や充電停止が発生しているとのことで、根本的な改善には至っていないようです。
Googleは現時点で公式なコメントを出しておらず、仕様なのか不具合なのかは判然としていません。
Pixel 10ユーザーは“Qi2対応充電器”の使用が安全策
今回の検証結果から、Pixel 10シリーズで安定したワイヤレス充電を行うには、Qi2認証を取得した充電器を選ぶことがほぼ必須と言えます。特にPixel 10 Pro XLの25W高速ワイヤレス充電を最大限活かすには、Qi2対応アクセサリーが事実上の前提になります。
旧Qiパッドやモバイルバッテリーをそのまま使い回すと、
- 極端に遅い
- 発熱で停止
- 充電できたりできなかったりする
といった不安定さが避けられない状況です。
Pixel 10シリーズのユーザーが既存のQi充電器を使った際に違和感を覚えるのは当然とも言える状況で、今回調査によりその原因がより明確になりました。Googleが今後のアップデートで改善する可能性はありますが、現時点ではQi2対応の充電環境を整えるのが最も確実な選択肢となりそうです。

