
サムスンが、次世代モバイル向けメモリ「LPDDR6」を正式に発表しました。業界標準であるJEDECの規格が確定してからまだ間もないタイミングでの発表で、サムスンはCES 2026で実機展示を行う予定としています。
最大10.7Gbps、電力効率は大幅改善
新しいLPDDR6は最大10.7Gbpsのデータ転送速度に対応。製造プロセスは12nmとされていますが、詳細な仕様は明らかにされていません。
一方で省電力面では大きな進化があり、LPDDR5X比で最大21%の消費電力削減を実現したとしています。コア電圧の低減に加え「Dynamic Voltage Frequency Scaling(動的電圧・周波数スケーリング)」を採用し、待機時の電力消費も抑えられるとのことです。
性能面の伸びは控えめ?将来は14Gbpsも視野
性能面だけを見ると、現状のLPDDR5X(同じく最大10.7Gbps対応)と転送速度は同じで、数字上の伸びは控えめに見えます。ただし、LPDDR6はまだ登場したばかりの規格であり、各社がフルスペックを引き出すのはこれからと考えられます。サムスンは将来的に最大14Gbpsまで到達しうるとしています。
搭載製品は来年以降に登場か
今回の発表では、搭載予定の製品については具体的な言及がありませんでした。ただ、現行のスマートフォン向けSoCはすでにLPDDR5Xを採用しているため、LPDDR6が市場に出回るのは来年後半以降になりそうです。
モバイル向けでは、Snapdragon 8 Elite Gen 6やDimensity 9600との組み合わせが有力視され、PC向けにもIntel「Panther Lake」やAMD「Medusa Point」など、次世代チップが対応するとみられています。
正式な製品登場までは少し時間がかかりそうですが、省電力性と将来的な性能伸長を備えたLPDDR6は、スマホやノートPCのバッテリー持ち改善に寄与する可能性があり、注目度は高まりそうです。


