
「クリーンなソフトウェア」を掲げてきたNothingにとって、Phone (3a) Liteは初めての“プリインアプリ搭載スマホ”という少し意外な存在でした。しかし、この方針にユーザーから大きな反発が起こり、同社が対応に乗り出したことが明らかになりました。
Meta関連サービスも含めアンインストール対応へ
Nothingの共同創業者、Akis Evangelidis氏はコミュニティへの投稿で、Phone (3a) LiteにプリインストールされているMeta関連のサービスを、まもなく“完全に削除可能”にすると発表しました。対象となるのは、Meta App Installer、Meta App Manager、Meta Servicesの3つ。これまでは停止するだけで、アンインストールはできませんでしたが、ユーザーの声を受けて仕様を改めるとのことです。
アップデートは今月中に展開予定としていますが、一方で、同じく不満の声が上がっている「Lock Glimpse」についてはまだ明確な回答がありません。
勝手に壁紙や記事が表示される「Lock Glimpse」にも不満
「Lock Glimpse」はロック画面の壁紙を自動で切り替えたり、ユーザーが登録していないウェブサイトのリンクや記事を表示したりする機能です。デフォルトで有効になっており、オフにすることは可能ですが、スマホに詳しくないユーザーほど戸惑いやすく、コミュニティでも議論が続いています。
プリインストールの理由は“パフォーマンス向上”?
Nothingによると、Instagram、Facebook、TikTok(一部地域のみ)などの人気アプリは、多くのユーザーが結局インストールするため、あらかじめ入れておくことで以下のメリットがあると説明しています。
- アプリ起動が最大50〜100ms高速化
 - 画面を切り替えてもアプリが再ロードされにくい
 - バッテリー消費を抑制
 - アプリ内カメラの動作がより滑らか
 
この説明は、かつてのAndroidスマホに見られた「パフォーマンス向上のためのプリイン」という触れ込みにも似ていますが、Nothingはユーザーの自由を損なっていないと強調します。アプリはすべてアンインストール可能で、Metaのサービスはアップデート維持のためのレイヤーに過ぎなかったとしています。
しかし今回、そのレイヤーまで削除できるようにする決定は、ユーザーの声を無視しない姿勢の現れといえるでしょう。
セットアップ時の「おすすめアプリ表示」も導入へ
さらに、初期設定の際に“おすすめアプリ”を提示する新機能も追加されます。提案はあくまで任意で、スキップ可能。気に入らなければ設定から完全に無効化できるため、強制的なインストールにはなりません。
NothingにとってPhone (3a) Liteは価格とパフォーマンスを重視した普及機の位置付けですが、「クリーンなソフト」と「透明性」を求めるファン層の声は依然大きく、その姿勢をどこまで守り抜けるかが今後の評価を左右しそうです。
