次世代ストレージ「UFS 5.0」完成間近──最大10.8GB/sでAI時代の要求に応える

スマートフォンやタブレット向けのストレージ規格として広く採用されているUFS(Universal Flash Storage)に、新世代規格「UFS 5.0」がまもなく登場します。標準化団体JEDECによると、UFS 5.0は開発最終段階にあり、性能・省電力性ともに大幅な進化を遂げているとのことです。

UFS 4.0の約2倍の帯域幅を実現

現行のUFS 4.1が最大5,800MB/sの理論帯域幅を誇るのに対し、UFS 5.0では最大10,800MB/sに到達。これはノートPC向けのPCIe Gen5 NVMe SSDに匹敵する速度で、スマートフォンのアプリ起動やAI処理、画像生成などの重負荷タスクでも大幅なレスポンス向上が期待されます。また、1レーンあたりの最大転送速度も6,400MB/sと倍増しており、次世代SoCとの組み合わせで処理全体のボトルネックを解消する狙いがあります。

高速化だけでなく省電力・高信頼化も

JEDECは、UFS 5.0がUFS 4.0および4.1との下位互換性を維持すると同時に、電力効率も改善すると説明しています。内部構造では信号のノイズを低減する新しい「リンクイコライゼーション」技術を採用し、データの整合性を保ちながら安定した通信を実現。さらに、セキュリティ面でも「インラインハッシュ」機能を追加し、不正なアクセスやデータ改ざんへの耐性を強化しています。

対応デバイスはスマホから車載機器まで拡大へ

UFS 5.0はスマートフォンやタブレットだけでなく、ウェアラブル、車載システム、エッジコンピューティング、そしてゲームコンソールなど幅広い分野への応用が想定されています。高性能で低消費電力という特性が、AI処理を支えるストレージ技術として注目されています。

初搭載は2027年モデルか

サムスンはすでにUFS 5.0ストレージの開発に着手しているとみられていますが、最初の採用は2027年頃になるとの予測もあります。2026年のフラッグシップ機では依然としてUFS 4.1の改良版が主流となる見通しです。とはいえ、JEDECが示す10GB/s超級の新基準が実現すれば、AI時代のスマートフォン性能を根底から変える存在になるかもしれません。

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