グーグルが幻の「Pixel 4 5G」を開発していた ― コードネーム“needlefish”の正体が判明

Pixelシリーズは毎回のようにリークが相次ぐことで知られていますが、その中には結局世に出なかった“幻のPixel”も存在します。かつて噂されながらも姿を見せなかった「needlefish」なる端末の正体が、このたびリーク写真によって明らかになりました。

Pixel 4 XLに酷似する未発売モデル

流出した写真によれば、「needlefish」はPixel 4 XLに近いデザインを持ち、厚めのベゼルに赤外線顔認証やSoliレーダーを搭載する仕様でした。ただし内部構造は通常のPixel 4 XLとは異なり、mmWave用アンテナモジュールを備え、バッテリー容量も3,800mAhとやや大きめに設定されています。

さらに、fastboot画面では本体コードが「U3」と表示されており、Pixel 4 XLの「C2」、Pixel 4の「F2」と区別されています。メモリは通常モデルの6GBではなく8GBを搭載していたことも確認されました。

Snapdragon 855とX55モデムを組み合わせた5G試験機

最大の注目点はモデム構成です。ログには「g55」と記されており、これはQualcommの5G対応スタンドアロンモデム「Snapdragon X55」を意味するとみられます。つまり「needlefish」は、Snapdragon 855とX55を組み合わせた、Pixelシリーズ初の5Gテスト機だった可能性が高いのです。

同じ構成は当時、OnePlus 7T Pro 5G McLaren Editionなどごく限られたモデルでしか採用されておらず、Googleとしても新たな無線規格を検証するための実験的端末だったと推測されます。

なぜ発売されなかったのか

当時の5Gは発展途上で、X55モデムも単体チップのため効率が悪く、製品化には不利でした。加えて、Pixel 4シリーズの発売時期には次世代SoCのSnapdragon 865がすでに控えていたため、旧世代の855搭載機を後出しで投入する合理性もありませんでした。

実際、この端末のリビジョンはEVT1.4とされており、通常のGoogle製品が到達する設計検証段階(DVT)にすら進んでいないことから、市販化を想定したプロジェクトではなく、あくまで5G対応の習熟を目的とした開発試作機だったとみられます。

謎に包まれたPixelの歴史の一部

結局「needlefish」が市場に出ることはありませんでしたが、Googleが5G導入の初期段階で試行錯誤していた痕跡を示す貴重な存在といえます。Pixel Foldの初代試作機「pipit」と同様、この未発売Pixelもまた、シリーズの裏側で進化を支えた影の存在だったのかもしれません。

ソース

スポンサーリンク
スポンサーリンク
Pixel
スポンサーリンク
Sumahodigestをフォローする
スポンサーリンク