
世界のスマートフォン市場全体が前年同期比で大きな伸びを見せなかった一方、2025年上半期(1〜6月)の「プレミアム(600ドル以上)」セグメントは堅調な成長を記録しました。その中心には依然としてAppleとSamsungが存在しますが、今年はGoogleとXiaomiの存在感が一段と強まっています。
Appleの支配力は依然として圧倒的
調査会社Counterpoint Researchによると、Appleは2025年上半期におけるプレミアムスマートフォン市場の62%を占め、依然として圧倒的なリーダーとして君臨しています。販売台数は前年同期比で3%増加したものの、シェアは65%からわずかに低下しました。
「iPhone 16」シリーズは堅調な売れ行きを示しているものの、競合他社の追い上げによりシェア縮小が起きたと見られます。
Samsungはシェアを維持

2位につけたSamsungは、市場シェア20%を維持。最新の「Galaxy S25」シリーズが前世代を上回る好調さを見せ、トップとの差を42ポイントまで縮めました。さらに、折りたたみ端末「Galaxy Z Fold 7」が予想以上の人気を集めており、中長期的な成長ドライバーになる可能性が高いと指摘されています。
Google、前年比2倍の大躍進
最大の注目はGoogleです。Pixel 9シリーズの好調により、前年同期比で105%という驚異的な成長を達成し、5年ぶりに世界のプレミアム市場トップ5に返り咲きました。積極的なマーケティング施策と新地域への展開が奏功したとみられます。
Googleは2025年下半期にPixel 10シリーズを投入しましたが、Pixel 9を上回る可能性は高いものの、再び売上を倍増させるのは現実的ではないとの見方も出ています。それでも、Pixel 10 Proや折りたたみモデルのPixel 10 Pro Foldなど、ラインアップの魅力は確実に向上しており、シェア拡大が続く可能性は十分にあります。
XiaomiとHuaweiの動向
Xiaomiも大幅な成長を遂げ、前年比55%増を記録しました。特に中国市場での強さが業績を押し上げています。
一方、Huaweiは24%増と堅実な伸びを見せ、依然として3位を維持。ただし急激な拡大は見られず、Googleの追撃を受ける可能性があります。
今後の市場展望
プレミアム市場の勢力図はすぐに変わるものではありませんが、折りたたみスマホの普及が中長期的なカギになると予測されています。SamsungがFoldシリーズで一歩リードするなか、GoogleやHuaweiも追随。Appleの「iPhone Fold」の開発が遅れれば、シェア低下がさらに進む可能性も指摘されています。
2025年上半期はAppleの圧倒的な支配が続きつつも、GoogleとXiaomiの存在感が一気に高まった期間となりました。下半期以降はPixel 10シリーズや次世代iPhone、さらには折りたたみ端末の動向が、市場のパワーバランスを大きく左右しそうです。