Googleが先日発売した「Pixel 10」シリーズのフラッグシップモデル「Pixel 10 Pro XL」に関して、初期ユーザーによる実機ベンチマーク結果が明らかになりました。しかし、最新チップ「Tensor G5」を搭載しているにもかかわらず、その性能は期待を大きく下回るものだったようです。
CPU性能は“前世代級”止まり

海外掲示板Redditに投稿された情報によると、Pixel 10 Pro XLはAnTuTuベンチマークで総合117万3221点を記録しました。これはSnapdragon 8s Gen 3を搭載するHonor 200 Proや、Dimensity 8350を採用するMotorola Edge 60 Proと同等レベルのスコアにとどまります。
CPUスコアは41万5848点で、Pixel 9 Pro XLから約15%の向上が見られるものの、性能的にはSnapdragon 8 Gen 3やDimensity 9300+と同程度。つまり「現行フラッグシップ水準」ではあるものの、まもなく登場予定の次世代SnapdragonやMediaTek製チップが発表されれば、すぐに“旧世代相当”になってしまう可能性があります。
GPUは前世代から20%低下
より深刻なのはGPU性能です。Pixel 10 Pro XLに搭載されたPowerVR「IMG DXT-48-1536」は、36万7206点というスコアにとどまりました。これはPixel 9 Pro XLが搭載していたMali-G715 MC7の44万点超と比べて約20%の性能低下にあたります。
さらに比較すると、このスコアは4年前のSnapdragon 8 Gen 1とほぼ同等。グラフィック処理性能が新機種でここまで後退するのは異例であり、ユーザーの間でも「なぜ世代を重ねて性能が下がるのか」という疑問の声が上がっています。
ソフトウェア最適化不足の可能性も
現時点では、このGPU性能低下がハードウェアの限界によるものなのか、あるいはソフトウェア最適化不足によるものなのかは不明です。実際、VulkanやOpenCLベンチマークでも平凡な結果に終わっており、3DMark WildLife Extremeでは3202点と、Snapdragon 8 Gen 2クラスと同等にとどまっています。
Pixelシリーズの課題
Pixelシリーズはカメラ性能やAI機能の豊富さで高い評価を得る一方、処理性能に関しては「Tensor移行後から常に物足りない」という指摘が付きまとっています。最新のPixel 10 Pro XLでもその評価は覆らず、特にゲーミング性能を重視するユーザーにとっては厳しい結果となりました。
Googleが今後のアップデートでどこまで最適化を進められるのか、そして来年以降のTensorシリーズで再びパフォーマンス競争に挑めるのかが注目されます。