Xperia 1 VのAndroid 15アップデート後に深刻なBluetoothメタデータ不具合 ─ 再起動で再発、完全な修正は未対応

ソニーのフラッグシップスマートフォン「Xperia 1 V」で、Android 15アップデート適用後にBluetooth接続時のメディアメタデータが正しく表示されない深刻な不具合が発生しています。影響を受けるユーザーは、車載オーディオやワイヤレスヘッドホンで楽曲のアーティスト名やタイトルが表示されなくなり、再生・停止などの操作も不安定になるという状況に直面しています。

AVRCPメタデータが破損、PlaybackState ERROR(7)が頻発

問題の原因は、Android 15適用後のXperia 1 Vで「BluetoothMediaBrowserService」プロセスにおいてAVRCP(オーディオ・ビデオ・リモート・コントロール・プロファイル)プロトコルが正常に動作しなくなることにあります。Bluetoothデバイスと接続時、開発者向けログ(ADBログ)には「PlaybackState: ERROR(7) during setPlaybackState」というエラーが必ず記録され、これにより楽曲情報の表示が失われるとともに、リモートコントロール操作が不安定になります。

この不具合は以下の操作を行うたびに再発することが確認されています。

  • 端末の再起動
  • 開発者向けオプションでAVRCPバージョンを変更
  • Bluetoothのオン/オフや新規ペアリング時

暫定対処法は「SIM PINロック」の裏技

完全な修正は現時点で存在しませんが、ユーザーコミュニティでは「SIM PINロック」を利用した一時的な回避策が発見されています。その手順は以下の通りです。

  1. 端末を再起動後、SIM PINを入力せずにロック状態を維持
  2. Bluetoothをオンにし、60秒待機
  3. その後、車載オーディオやヘッドホンの電源を入れて接続
  4. 接続完了後にSIM PINを解除

この手順を踏むことで、AVRCPメディアトークンが正常に初期化され、再びメタデータ表示とコントロール操作が機能するようになります。ただし、再起動や開発者オプションの変更後には再度この作業が必要となります。

工場出荷状態リセットやADB操作でも解決せず

この問題に対しては、工場出荷状態へのリセットやBluetooth関連プロセスのデータ削除、ADB経由での開発者オプションリセット、Magiskモジュールでの動作上書きなど、多くの手段が試されましたが、いずれも恒久的な解決には至っていません。

特に重要なのは、このメタデータ破損が接続するBluetooth機器側の問題ではなく、Xperia 1 V端末側で発生していることが検証により判明している点です。

ソニーも問題を認識 ─ しかし公式修正パッチは未提供

ソニーのサポートも本件について調査したことを認めており、「仕様上の逸脱はない」との立場を示していますが、公式な修正パッチは2025年8月時点で提供されていません。クリーンインストール環境でも発生が確認されていることから、根本的なソフトウェア修正が必要であることは明らかです。

現在、Redditをはじめとするユーザーコミュニティでは、ソニーおよびGoogleへのフィードバック提出を呼びかける動きが強まっており、早期の修正対応を求める声が高まっています。

Xperia 1 Vユーザーで同様の症状に悩まされている場合は、ADBログに「PlaybackState ERROR(7)」が記録されていないか確認し、前述のSIM PINロックによる回避策を試してみることをおすすめします。

ソース

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Android 15Xperia不具合・バグ
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