
2025年6月1日付で、ソニーは最新フラッグシップモデル「Xperia 1 VII(型番:XQ-FS54)」の純正交換パーツ価格を公式に公開しました。これは、EUで新たに施行されたエコデザイン指令に準拠するための措置とみられます。
同規制により、スマートフォンメーカーは製品販売終了から7年間にわたって修理用部品を提供する義務が課されており、Xperia 1 VIIの場合、最大で発売から8年間の部品提供が期待できます(ただし、イギリスはEU離脱済みですが、同様の方針に追随している可能性あり)。
一部パーツは一般ユーザーでも購入可能

公開されたリストによると、一部パーツは一般ユーザーも購入可能ですが、多くの部品は「プロフェッショナル・リペアラー(専門修理業者)」向けに限定されています。
また、掲載されている価格には作業工賃は含まれておらず、パーツ単体での参考価格となっています。
主な交換パーツと価格一覧(2025年6月時点)
以下はXperia 1 VIIの代表的な交換部品の一部とその価格(税込表記なし)です:
一般ユーザー向けパーツ
- ディスプレイアセンブリ:180ユーロ
- SIM・microSDトレイ:10ユーロ
専門修理業者向けパーツ
- バッテリー(SNYSHD4):18ユーロ
- フロントカメラアセンブリ:20ユーロ
- リアカメラアセンブリ(CAMERA MAIN ASSY):175ユーロ
※メイン(広角)カメラと超広角カメラの両方を含む可能性あり - 望遠カメラモジュール(CAMERA MAIN TELE):117ユーロ
- オーディオジャック用FPC(FPC JK):2ユーロ
- USB充電ポート用FPC(FPC USB):12ユーロ
- 物理ボタン系のFPC(FPC Key):2ユーロ
- サブ基板・マイク一体(PBA SUB):12ユーロ
- スピーカーボックス:6ユーロ
- 通話用受話スピーカー(RECEIVER):5ユーロ
- 背面パネル一式(PANEL REAR ASSY A4 B):24ユーロ
- サブ6GHz対応フロントアセンブリ(FRONT ASSY SUB6 B):238ユーロ
なお、価格はいずれも2025年6月1日時点の参考価格であり、市場動向により今後変更される可能性があります。
高価な部品はどれ?

部品の中でもとりわけ高額となっているのが、「フロントアセンブリ(238ユーロ)」と「リアカメラアセンブリ(175ユーロ)」の2つです。前者はフロントパネル・ディスプレイ一体部品、後者は広角+超広角を含む主要な背面カメラのユニットとみられ、いずれも端末の中核を担うパーツであることから価格も高く設定されています。
まとめ:長期利用を支える姿勢に評価も
ソニーがXperia 1 VIIに対してこれほど細かく部品価格を開示したのは、EU規制への対応とはいえ、ユーザーにとっては安心材料のひとつといえます。とくに、長期使用を前提とするユーザーや修理を前向きに検討する層にとって、こうした透明性は大きなメリットとなるでしょう。
端末価格が高額化する中で、「長く使える」スマートフォンという価値が、今後さらに重視される時代が来ているのかもしれません。