
出荷台数は80万台、前年比13%の成長を記録
GoogleのPixelシリーズが、アメリカのスマートフォン市場で第4位のポジションに定着しつつあります。調査会社Canalysが発表した2025年第2四半期(4月〜6月)のレポートによると、Pixelは同期間におよそ80万台を出荷し、市場シェアは3%に達しました。これは前年同期の約70万台から13%の成長となり、着実に市場でのプレゼンスを高めています。
これにより、これまでPixelの上位に位置していたTCLは約70万台にとどまり、出荷数ベースで前年比23%のマイナス成長に。その他の中小ブランドも同様に前年比34%減と大きくシェアを落としており、Googleがその隙を突く形で順位を上げた格好です。
市場上位はAppleとSamsungが独占、Pixelは苦戦するも健闘
市場全体を見渡すと、依然としてAppleとSamsungの2強体制が色濃く残っています。Appleは1,330万台を出荷し、シェア49%でトップを維持。ただし、前年比で見ると11%の減少です。
一方、Samsungは8.3百万台を出荷して前年比38%の大幅成長を達成。Aシリーズの新機種投入が功を奏し、市場シェアを31%にまで伸ばしました。
3位のMotorolaは320万台を出荷し、市場シェアは12%。前年比では2%の微増にとどまったものの、Pixelとの差は依然として大きいのが現状です。
今後の鍵はPixel 10シリーズの成功にあり
2023年には、Pixelシリーズは米市場で年間シェア5%弱に達していたと推定されていますが、ここ数四半期では成長のペースがやや鈍化しているようです。とはいえ、Pixel 9シリーズのリリース時にはGoogle史上最高の四半期売上を記録しており、8月に発表予定のPixel 10シリーズにも大きな期待が寄せられています。
Q3(7月〜9月)の販売状況によって、Googleの市場内での立ち位置がより明確になるでしょう。
米市場での成長は厳しい現実も
Canalysのレポートでは、米国市場において新興ブランドが成長するのは極めて困難であることも指摘されています。Apple、Samsung、Motorolaの3ブランドで市場の90%以上を占めており、残されたシェアはごくわずか。
OnePlusやNothingといったブランドは、通信キャリアを介さない直接販売(公式サイトやBest Buy、Walmart、Amazonなど)に注力していますが、いずれも米国内での規模は限定的です。実店舗展開やキャリアへの製品提供には多額の投資が必要なため、新興ブランドにとっては高いハードルとなっています。
Googleにとっても例外ではなく、Pixelシリーズを持続的に成長させるためには、規模の拡大や販路の多様化が重要なカギとなります。
Pixelシリーズは、そのカメラ性能やソフトウェアの完成度で多くのユーザーから支持を集めてきました。米国市場という成熟した競争環境の中で第4位に定着したのは、決して小さな成果ではありません。Pixel 10シリーズがこの流れをさらに加速させるのか、注目が集まります。