Pixel 10 Proの価格が明らかに、Googleが描く次の一手とは?

Googleが8月20日に予定している「Made by Google」イベントを前に、次期フラッグシップモデル「Pixel 10」シリーズの価格に関する情報が明らかになりました。スマートフォン市場ではAppleやSamsungの価格上昇が続く中、Googleはあえて価格を据え置く戦略に出るようです。その背景には、ハードウェアだけにとどまらないGoogleの独自戦略が見えてきます。

ヨーロッパでの価格が判明、前モデルから大きな変動なし

Pixel 10シリーズの価格は、Pixel 9シリーズとほぼ同水準に設定されています。ヨーロッパでの販売価格は以下の通りです:

  • Pixel 10(128GB):899ユーロ
  • Pixel 10 Pro(128GB):1,099ユーロ
  • Pixel 10 Pro XL(256GB):1,299ユーロ
  • Pixel 10 Pro Fold(256GB):1,899ユーロ

最上位モデルのPro XLとPro Foldでは、128GBモデルが現時点でリストされていないものの、これは販売地域や販路による限定展開となる可能性もあります。

価格据え置きの背景には、Googleがこのシリーズに対して自信を持っていることがうかがえます。デザインや機能面での変化は比較的控えめですが、それでも市場における価値を維持できると判断したのでしょう。

ストレージアップグレードが「お得」に感じられる価格設定

注目すべきは、エントリーモデルの価格を抑えたまま、上位ストレージモデルへの移行を促す構成になっている点です。AppleやSamsungのフラッグシップが軒並み1,000ドル超えとなる中で、Pixelシリーズはそれよりも手頃な価格帯を維持。これにより、「少し足して上のモデルへ」という心理が働きやすく、購入者にとっての“お得感”を演出しています。

ブランド力ではAppleやSamsungに一歩譲るPixelシリーズですが、価格と性能のバランスを重視する層にとっては、むしろ魅力的な選択肢となるかもしれません。

第4世代Tensorチップ、ついに「発熱問題」に終止符か?

Pixel 6以降、Google独自開発の「Tensor」チップセットは毎年進化を重ねてきました。特にPixel 8ではAI処理に特化した専用回路を搭載し、効率性を重視した設計がなされてきましたが、一方で「発熱しやすい」という課題も指摘されていました。

今回のPixel 10では、製造プロセスをSamsung FoundryからTSMCに変更することで、発熱の抑制と処理効率の向上が期待されています。これにより、Tensorチップはようやく完成形に近づくとも言えそうです。極端なパフォーマンスは求めずとも、より快適なユーザー体験を目指すというGoogleの姿勢が見て取れます。

Googleが本当に売りたいのは「スマホ」ではない?

Pixelシリーズの価格戦略から見えてくるのは、Googleにとっての「本当の主戦場」がハードウェアではないという点です。Pixelを手頃な価格で提供することで、Google OneやGoogle Geminiといったサブスクリプションサービス、クラウド、AI機能への入口としての役割を担わせている可能性があります。

ユーザーがPixelを購入すれば、自然とGoogleのサービス群とつながり、その先にあるソフトウェアやデータ活用のエコシステムに引き込まれていく。そうした長期的な視点に立った戦略が、今回の価格設定には表れているように感じられます。


Pixel 10シリーズは、派手な変革というよりも、堅実なアップデートと価格戦略で勝負をかけています。スマートフォン単体のスペックだけでなく、Googleという企業全体のビジョンを映し出す製品として、その存在感はさらに強まりそうです。8月の正式発表では、さらに詳細な情報が明らかになるでしょう。

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