
Googleの次期スマートウォッチ「Pixel Watch 4」が、いよいよ正式発表間近となりました。毎年恒例の「Made by Google」イベントに合わせて、多くの新製品やソフトウェアのアップデートが披露される予定ですが、その中でも注目を集めているのがこの新型Pixel Watchです。
一見すると前モデルと大差ないようにも見えますが、実は内部には数々の改善が施されており、Googleのウェアラブル戦略の“本気度”がうかがえる仕上がりとなっています。
デザインは踏襲、でも細部に変化あり
Pixel Watch 4の基本デザインは、前モデルと同様に丸みを帯びたベゼルとシンプルなフェイス、側面のクラウンボタンという、これまでのシリーズを継承したものです。しかし、見た目以上に重要なのが厚みの変化。Pixel Watch 4は、Pixel Watch 3と比べて約2mm厚くなっており、この増加は新たに搭載されるセンサー類の影響とみられています。
ディスプレイ周囲のベゼルはさらに狭くなっており、全体的な視認性やデザインの洗練度も向上しています。サイズ展開は41mmと45mmの2種類で、Wi-FiモデルとLTEモデルの両方が用意されます。
カラー展開も充実しており、41mmモデルはブラック、ゴールド、ムーンストーン、シルバー、45mmモデルはオブシディアン、レモン、ムーンストーン、アイリス、ポーセリンと、ファッション性も重視されたラインナップです。
“充電ピン廃止”の真相と、ついに修理可能な設計へ
初期のリークでは、背面から充電ピンが消えたことで「ワイヤレス充電専用になるのでは?」と一部で話題になりましたが、実際には充電端子が側面へと移動したことが判明しました。この変更により、既存のPixel Watch用充電器が使用できなくなるというデメリットはあるものの、得られるメリットは大きいようです。

最大の利点は「修理可能な設計」になったこと。これまでPixel Watchは内部構造が一体化されており、破損した場合は本体ごと交換するしかありませんでした。しかし、Pixel Watch 4は構造上分解が可能となり、たとえばディスプレイが割れても、部品交換による修理対応ができるようになる見込みです。
バッテリー持続時間が大幅アップ、充電速度も25%向上
内部チップには、Pixel Watch 3と同じSnapdragon W5 Gen 1が引き続き採用されるため、処理性能に大きな進化はありません。しかし、バッテリー性能は確実に向上しています。

41mmモデルでは327mAh、45mmモデルでは459mAhの大容量バッテリーを搭載し、日常使いでの安心感が大幅にアップ。加えて、充電速度も従来比で約25%向上しており、短時間の充電でも十分な使用時間が確保できる設計となっています。
また、2GBのRAMと32GBのストレージ、最大3,000ニトの輝度を誇るAMOLED LTPOディスプレイ(1~60Hz可変)も搭載され、使い勝手は抜群です。
Wear OS 6とGeminiがもたらす新体験
Pixel Watch 4は、最新の「Wear OS 6」を標準搭載して登場します。Google I/O 2025で発表されたこの新バージョンは、見た目にも大きな変化をもたらす「Material 3 Expressive」デザインを採用。選択したウォッチフェイスに応じてUI全体の色味が変化するダイナミックなテーマが特徴です。
さらに、内部の最適化により、Wear OS 5と比較してバッテリー持ちが約10%向上しているとされています。また、Pixel Watch 4では、第三者製のウォッチフェイスも再びサポートされる見込みです。
そして見逃せないのが、生成AI「Gemini」が初期搭載されること。2025年7月以降、Wear OS 4以降のスマートウォッチには段階的にGeminiが配信されていますが、Pixel Watch 4では発売時点から利用可能になるとされています。
健康・フィットネス機能もさらに充実
センサー類の強化によって、Pixel Watch 4ではSpO2(血中酸素飽和度)の常時モニタリングや、低酸素状態の検出といった新機能にも対応。これにより、ユーザーの健康状態をより詳細かつリアルタイムに把握できるようになります。
また、運動時にはリアルタイムの音声ガイド付きワークアウト機能も搭載され、自分に最適化されたトレーニングプランを簡単に作成可能。トレーニング後には、プロレベルのアプリと肩を並べるレベルの分析データも確認できるとされています。
Pixel Watch 4は、一見すると地味なアップデートに見えるかもしれませんが、充電設計の刷新、修理性の向上、バッテリー性能の進化、そしてWear OS最大のアップデートなど、実際には非常に多くの“着実な進化”が詰め込まれたモデルとなっています。
Pixel 10シリーズが比較的マイナーアップデートであることを考えると、今年の「Made by Google」で最も注目すべき製品は、このPixel Watch 4なのかもしれません。