Facebookが「最も有害なSNS」に認定 世界の活動家62%が嫌がらせを経験と回答

環境保護活動家などを対象にした国際的な調査で、フェイスブックが「最もハラスメント被害が多いSNS」として名指しされました。投稿の自由が広がる一方、モデレーション(投稿管理)の甘さやアルゴリズムの問題が、オンライン上の攻撃や誹謗中傷を助長しているとの批判が高まっています。


活動家の90%がSNS上で嫌がらせを経験

この調査は、国際NGO「Global Witness(グローバル・ウィットネス)」が2024年11月から2025年3月にかけて、約200人の環境・土地保護活動家を対象に実施したものです。その結果、約90%の回答者がSNS上で何らかの嫌がらせを受けた経験があると答えました。中でも特に被害が多かったのがMeta社のプラットフォームで、全体の62%がフェイスブック上でハラスメントを受けたと報告しています。

そのほか、**WhatsAppでは約36%、Instagramでは約20%**の被害が報告されており、Metaが運営する3つの主要SNSすべてが上位にランクインしています。


SNSが「脅し」と「沈黙の強要」の場に

調査で明らかになったのは、単なる言葉の暴力だけではありません。活動家たちは、脅迫、誹謗中傷、事実に基づかない情報の拡散など、複数の形でオンライン上の攻撃を受けています。その多くは「声を上げるな」「活動をやめろ」といった意図を持ったもので、実際に殺害予告や名誉棄損的な投稿も少なくないといいます。

さらに深刻なのは、こうしたデジタル上の攻撃が現実世界での暴力や脅迫にまで発展するケースが多いという点です。調査対象者の約70%が「オンラインでの嫌がらせが現実の危険に直結した」と証言しており、単なるネットトラブルとは言い切れない重大な問題となっています。


問題は「人」だけでなく「アルゴリズム」そのもの

Global Witnessは、MetaをはじめとするSNSプラットフォーム運営企業に対して、コンテンツモデレーションの強化やアルゴリズムの見直しを強く求めています。現状のシステムでは、有害な投稿が自動的に拡散されてしまう構造があり、**攻撃的な投稿ほど拡散力を持ちやすいという“設計上の問題”**も指摘されています。

現在、多くのSNSが機械学習による投稿推薦アルゴリズムを採用していますが、その仕組みがヘイトスピーチやフェイクニュース、攻撃的な言動を助長する温床になっているとの懸念は、以前から国内外で広く議論されてきました。


SNSの“本来の目的”が揺らいでいる

もともとSNSは、人と人をつなげるためのツールとして誕生しました。にもかかわらず、そのプラットフォーム上で人が傷つけられ、沈黙を強いられているというのは、本末転倒と言えるかもしれません。

Meta社には今後、投稿内容の監視体制を見直すとともに、アルゴリズムの公平性や透明性を確保する責任が求められています。SNSの安全性と信頼性を回復するには、ユーザー任せではなく、企業自らが本気でこの問題に取り組む姿勢が不可欠です。

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