
2025年後半に登場が予定されている次世代スマートフォン向けチップ「Snapdragon 8 Elite Gen 2」と「Dimensity 9500」について、価格が大幅に上がらない可能性があるとする情報が中国SNS「Weibo」で話題となっています。これにより、各スマートフォンメーカーはフラッグシップ機の価格や利益率を比較的安定して保てる可能性が出てきました。
TSMCの新プロセス採用も、価格は比較的据え置きか
今回登場が噂されている2つのチップは、いずれもTSMCの3nmプロセスを採用していますが、従来の「N3E」から改良版の「N3P」に移行する見込みです。この改良により、性能や電力効率が向上する一方で、製造コストが上がるとされていました。
しかし、中国の著名なリーカー「Digital Chat Station」によれば、価格の上昇は限定的で、一部の中国メーカーはSnapdragon 8 Elite Gen 2やDimensity 9500を搭載したハイエンドモデルを3,999元~4,499元(約5万6,000円~6万3,000円)程度で販売する可能性があるとのことです。参考までに、Xiaomi 15はSnapdragon 8 Eliteを搭載し、4,499元から販売が開始されました。
一方、LPDDR5Xメモリの価格上昇が影響か
チップの価格は抑えられる見込みですが、メモリ価格の上昇が新たな懸念材料として浮上しています。情報によれば、LPDDR5Xメモリの価格が5%程度上昇する見通しです。フラッグシップ機では高速メモリが欠かせないため、この値上げが端末価格に反映される可能性も否定できません。
興味深いのは、これまでスマホ価格の大半を左右していたのはチップセットでしたが、今回はメモリ価格が価格形成の鍵になるかもしれないという点です。
今後の展開と新世代メモリへの移行
LPDDR5Xの需要が高まれば、サムスンやSK hynixといったメモリ大手が増産に踏み切ることで、価格上昇を緩和できる可能性もあります。また、2026年後半には、サムスンが次世代のLPDDR6メモリの開発を加速させるとの報道も出ており、今後の業界動向に注目が集まります。
現時点ではあくまで噂レベルの情報ですが、Snapdragon 8 Elite Gen 2やDimensity 9500が予想以上に手頃な価格で登場すれば、フラッグシップスマホの価格も抑えられ、ユーザーにとって朗報となりそうです。ただし、メモリやその他の部品コストの影響は無視できず、製品価格にどう反映されるかは今後の動向を見守る必要があるでしょう。