Google、Android開発向けに「Canaryチャンネル」を新設──Developer Previewは廃止へ

Googleは7月10日、Androidのプレリリースプログラムに大きな変更を加えることを発表しました。これまで提供されていた「Developer Preview(開発者向けプレビュー)」に代わり、新たに「Android Canaryチャンネル」が設けられます。目的は、開発中の機能により早く、継続的にアクセスできる環境を整えることにあります。

一貫したテスト環境とフィードバックの場を提供

Googleは今回の変更について、「年初の限られた期間だけでなく、年間を通じて新機能を試し、フィードバックを提供できるようにするため」と説明しています。

従来のDeveloper Previewにはいくつかの制約がありました。たとえば、以下のような点です:

  • Developer Previewは特定のリリースに紐づいておらず、毎回手動でファームウェアをフラッシュする必要があった
  • プレビュー版は開発初期に限定されており、ベータ版が始まるとその配信は停止され、ベータには間に合わないが検証したい新機能のテスト環境が失われていた

こうした課題を解消するために導入されるのが、今回の「Android Canaryチャンネル」です。

Android Canaryチャンネルの特徴

Canaryチャンネルでは、Pixelシリーズを対象に、最初のセットアップ時のみAndroid Flash Toolによる初期フラッシュが必要になりますが、それ以降はOTA(無線アップデート)で継続的に最新の開発ビルドを受け取ることができます。

このチャンネルでは、開発中のAPIや挙動変更が最も早い段階で試せる一方、それらは最終的に正式版に採用されない可能性もあります。また、ビルドは内部テストと自動テストを経たものの、バグや致命的な不具合が含まれている場合もあり、日常的に使うメイン端末での利用は推奨されていません。

なお、Canaryチャンネルを抜けたい場合は、BetaまたはPublicビルドをフラッシュする必要があり、その際にはデータ領域が初期化される点にも注意が必要です。

ベータ版との住み分けも明確に

既存のAndroid Beta Program(Beta 1以降)も引き続き維持され、より安定性の高い機能をいち早く試したいユーザーにはこちらが適しています。一方、Canaryチャンネルは、初期段階の機能や仕様変更をいち早く確認したい開発者向けの“先行試験場”という位置づけです。

CI(継続的インテグレーション)との連携によって、開発中のAndroid機能が自社アプリにどのような影響を及ぼすかを早期に検証できる点でも、有効なツールとなるでしょう。

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