
Huaweiは7月10日、UAEで開催されたイベントにて、最新フラッグシップモデル「Pura 80 Ultra」のグローバル展開を正式に発表しました。本機最大の注目ポイントは、スマートフォンとして世界初となる“切り替え式デュアル望遠カメラ”を搭載している点です。これにより、スマホ写真の可能性をさらに広げる1台となっています。
世界初の“切り替え式デュアル望遠”システムを採用
Pura 80 Ultraの背面カメラは非常に高性能な構成となっており、メインカメラには1インチのRYYBセンサー(5000万画素、f/1.6〜f/4.0可変)を採用。これに加えて、4000万画素の超広角カメラ(f/2.2)と、色精度を高める1.5MPのスペクトルセンサーも搭載されています。

しかし最大の特長は、5000万画素・1/1.28インチの望遠センサーが搭載された可変式ペリスコープ(潜望鏡)ユニットにあります。このユニットにより、1台のスマホで光学3.7倍(83mm)と9.4倍(212mm)という2つの焦点距離を“切り替え”可能に。従来のGalaxy S23 Ultraなども最大10倍の望遠撮影に対応していましたが、1/3.52インチという小型センサーだったため、Pura 80 Ultraの高画素・大型センサーによる望遠性能は頭ひとつ抜けた存在といえるでしょう。
高品位なデザインとディスプレイも魅力

外観面でもフラッグシップにふさわしい仕上がりです。筐体は光沢のあるアルミフレームを採用し、前面・背面には第2世代Kunlunガラスを使用。ディスプレイには6.8インチのLTPO OLED(解像度:2848×1276、リフレッシュレート120Hz)を搭載しており、最大輝度は驚異の3,000ニトに達します。
チップセットはKirin 9020、最大1TBストレージ
Pura 80 Ultraの心臓部には、Huawei独自のKirin 9020チップが搭載されているとされ、これに最大16GBのRAM、最大1TBのストレージが組み合わされています。OSはAndroidベースのEMUI 15を採用。バッテリーは5,170mAh(中国版は5,700mAh)で、100Wの急速充電と80Wのワイヤレス充電にも対応しています。
ただし、グローバル版は中国モデルと比べて通信面で制限があります。中国版はHarmonyOS 5.1を採用し、5Gおよび衛星通信に対応している一方、グローバル版は4Gのみに限定され、衛星通信も非対応となっています。この点は、ハイエンド機としてやや物足りなさを感じるかもしれません。
カラバリと価格情報
カラーバリエーションはブラックとゴールドの2色展開で、中国での価格は9,999元(約14万円)からとなっています。グローバル市場での価格および発売時期については、今後Huaweiの公式チャネルを通じて順次アナウンスされる見込みです。
HuaweiのPura 80 Ultraは、カメラ性能においてスマートフォンの新たな可能性を提示する意欲作です。通信仕様に違いはあるものの、その革新的な光学技術とフラッグシップ仕様は、多くのユーザーにとって強い魅力となることでしょう。今後の展開にも注目が集まります。