MediaTekが2nmチップの投入を正式発表──クアルコムにとって脅威となるか

TSMCと連携し、2026年の本格展開へ

スマートフォン向けSoC(システム・オン・チップ)市場で存在感を高めつつあるMediaTek(メディアテック)が、次世代2nmプロセスのチップセットを2026年に投入する計画を明らかにしました。ファウンドリはTSMC(台湾積体電路製造)で、2025年9月にはテープアウト(設計完了)を予定しているとのことです。

この動きは、AppleやQualcomm(クアルコム)が2nm世代の開発を加速させている中で、MediaTekが競争の最前線に加わろうとする姿勢を示すものでもあります。

Dimensityシリーズで進化を続けるMediaTek

現行の「Dimensity 9400」および最新の「Dimensity 9400+」はどちらもTSMCの3nmプロセスで製造されており、後者ではより高性能なN3Eプロセスが採用されていると見られています。

MediaTekはこれまで「コスパ重視」のブランドという印象が強く、特にフラッグシップ機向けではQualcomm製チップに後れを取ってきました。しかし近年ではDimensityシリーズの性能が大幅に向上し、ハイエンド機でも採用される事例が増加。実際のベンチマークや使用感でも、Qualcomm製チップと互角に戦えるレベルに達しつつあります。

Qualcommへの逆風? 価格と性能の両立がカギに

ここに来てQualcommのチップ価格が上昇傾向にあるという報道もあり、端末メーカーにとってはコストが重くのしかかっています。そうした中、MediaTekが2nmプロセスで高性能かつ価格を抑えたSoCを提供できれば、メーカー各社が採用を切り替える可能性も出てくるでしょう。

もしMediaTekが本格的にハイエンド市場を狙える2nmチップを展開すれば、価格上昇に悩まされているスマートフォン業界にとって大きな転機になるかもしれません。

Xiaomiも独自チップ開発を発表、競争は新たなフェーズへ

さらに、Xiaomi(シャオミ)も独自のチップセットを開発中であることを発表しており、今後はQualcommとMediaTekに加え、新たなプレイヤーも競争に参入する見込みです。Xiaomiのチップが自社端末専用になるのか、それとも他社に提供されるのかは未定ですが、市場構造が大きく動く可能性が出てきました。

2026年に向け、スマートフォンの頭脳ともいえるSoC市場は激動の時代を迎えそうです。各社がどう差別化を図り、どのような性能・価格のチップを展開してくるのか、今後の展開に注目です。

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