
Pixel 9a、シリーズ史上最大のバッテリーを搭載
499ドルという手ごろな価格設定のPixel 9a。しかし、その中身は侮れません。6.3インチのコンパクトな筐体に、シリーズ最大となる5,100mAhの大容量バッテリーを搭載して登場しました。これは、前モデルPixel 8aの4,500mAhはもちろん、上位機種であるPixel 9やPixel 9 Proの4,700mAhをも上回る容量です。
バッテリーの大型化により、理論上は大幅な駆動時間の延長が期待できますが、実際の使用感はどうなのでしょうか。Android Authorityが実施したバッテリーテストの結果をもとに、詳しく見ていきます。
バッテリーテストで見えたPixel 9aの実力

Pixel 9aは、Pixel 8aと比較して確実にバッテリー持ちが向上していることがわかりました。特に顕著だったのは、4K動画の録画やウェブブラウジングでの使用時間です。ウェブ閲覧時には約10時間、コンテンツ撮影時でも6時間以上の連続使用が可能という結果が出ています。
ただし、すべての項目で単純にバッテリー容量に比例した改善が見られたわけではありません。写真撮影の持続時間に関しては、むしろPixel 8aを下回るという意外な結果も出ています。
Pixel 9との比較では一長一短
Pixel 9a Battery Improvements | 4K Playback | 4K Recording | Camera Capture | Web Browsing Change | Zoom Call | Gaming Benchmark |
---|---|---|---|---|---|---|
vs Pixel 8a | +7.2% | +15.8% | -13.0% | +18.5% | +9.9% | 0.0% |
vs Pixel 9 | +106.3% | -21.9% | +15.1% | +11.1% | -18.2% | -20.0% |
Pixel 9と比べた場合、Pixel 9aは用途によって優劣が分かれます。たとえば、ウェブブラウジングやカメラ撮影、4K動画再生においてはPixel 9aが有利な一方で、4K録画、ビデオ通話、ゲームプレイに関してはPixel 9が約20%前後上回る結果となりました。
これは、単純にバッテリー容量だけの問題ではないようです。Pixel 9aはPixel 9と同じTensor G4チップを搭載しているものの、通信モデムには一世代前のSamsung製Exynos 5300を採用しており、通信周りの効率にやや劣る点が影響していると考えられます。また、ディスプレイにも差があり、Pixel 9aはコストを抑えたP-OLEDパネルを使用しているため、リフレッシュレートや輝度の制御によるバッテリー消費に若干の違いが出る可能性も指摘されています。
Pixel 9aはAシリーズ史上最高のバッテリー性能に
Pixel 9aは、確かにシリーズ史上最高のバッテリーライフを実現しました。特に一般的な使用(ウェブ閲覧、SNS、音声通話など)では、安心して一日以上使える頼もしい存在です。ただし、ゲームや動画撮影など負荷の高い用途では、上位機種に一歩及ばないシーンも見られました。
それでも、日常使いにおいてはPixel 9aの大容量バッテリーが大きな安心感をもたらしてくれるのは間違いありません。ミッドレンジモデルにしては十分すぎるスタミナ性能を持っていると言えるでしょう。今後のアップデートによる最適化にも期待したいところです。