
次世代のハイエンドSoC「Snapdragon 8 Elite Gen 2」に関する新たな情報が、著名リーカーを通じて明らかになりました。製造プロセスの進化だけでなく、メモリやキャッシュ構成にも大幅なアップグレードが施される可能性があると見られています。
TSMC第3世代3nmプロセス採用で基本性能が一新
これまでの噂では、Snapdragon 8 Elite Gen 2は前モデル「8 Elite」と同じCPU構成を継承するとされてきました。しかし、実際には大幅な刷新が行われている模様です。チップセットはTSMCの最新3nmプロセスで製造され、より高効率かつ高性能な仕上がりになると見られています。
加えて、Qualcommの新設計「Pegasus」コアの採用も取り沙汰されており、一部では最大5.00GHzでの動作も確認されているとのことです。
キャッシュサイズが33%増、パフォーマンス30%向上の報告も
中国のSNS「Weibo」で情報を発信するDigital Chat Stationによると、次期SoCでは各CPUクラスターごとに16MBのキャッシュが搭載されるとのこと。前モデルがクラスターあたり12MB(合計24MB)だったことを考えると、約33%の増量です。
なお、今回の情報ではL2キャッシュなのかL3なのかは明言されていませんが、仮にL2キャッシュが倍増している場合、合計32MBになる計算です。初期のテスト結果では、Snapdragon 8 Elite Gen 2は最大30%の性能向上を示しているとも報じられています。
LPDDR6メモリに初対応、ARM SMEもサポートか
今回のSoCで特に注目されているのが、次世代メモリ「LPDDR6」への対応です。これにより、より高速かつ省電力なメモリ環境が実現し、スマートフォン全体のパフォーマンスが一段と引き上げられる可能性があります。
一方で、LPDDR5Xとの後方互換性も維持される見込みのため、端末メーカー側がどちらのメモリを採用するかによって、価格帯や性能バランスに幅が出ることになりそうです。
また、ARMの「Scalable Matrix Extension(SME)」への対応も噂されており、マルチコア処理において最大20%の性能向上が期待できるとしています。条件が整えば、Appleの最新M4チップに匹敵する、あるいは上回る性能を実現するかもしれません。
ベンチマークではSnapdragon 8 Elite比で40%超のスコア差
先日出回ったAnTuTuベンチマークの初期スコアでは、Snapdragon 8 Elite Gen 2が現行の8 Elite搭載モデルに対して、実に40.7%高い総合スコアを記録したという情報もあります。これは単なるクロックアップやキャッシュ増強だけでなく、SoC全体のアーキテクチャ改善の結果だと考えられます。
正式発表に注目集まるも、現時点では“噂段階”
現在のところ、今回の情報はすべて非公式のものであり、Qualcommからの正式な発表はありません。しかし、これだけ多方面にわたるアップグレードの兆候が出ていることから、次期Snapdragonの完成度には大きな期待が寄せられています。
今後、さらに詳細な情報がリーカーや関係筋から明らかになることが予想されます。Snapdragon 8 Elite Gen 2がスマートフォンの性能をどこまで引き上げるのか、引き続き注目が集まります。