
折りたたみスマホ市場の進化
折りたたみスマートフォン市場は近年、急速に成長しています。現在の主流は、クラムシェル型やブック型のデザインで、メインディスプレイを保護しながら外側にサブディスプレイを備えるスタイルが一般的です。一方で、Huaweiのように外側に折りたたむデザインに挑戦するメーカーもありますが、耐久性の課題が指摘されてきました。
そんな中、サムスンが新たな挑戦に乗り出しました。同社が取得した特許によると、新しいデバイスは従来の内折りだけでなく、外折りも可能な「360度折りたたみスマートフォン」となっています。
両方向に折りたためるディスプレイの革新
サムスンの特許には、スマートフォンのディスプレイが360度回転するように折りたためる仕組みが記載されています。このデザインにより、従来のカバーディスプレイが不要になり、折りたたんだ状態でも情報が確認できるようになります。

この技術を実現するために、サムスンは独自の構造設計を採用しました。ディスプレイの下には、同社が開発したサポート層が配置されており、これらは柔軟性の高いポリマー素材を基盤とし、強力な接着剤で固定されています。これにより、耐久性と柔軟性を両立させることが可能になっています。
また、特許によると、スクリーンの折り曲げ構造には特別な軸が採用されており、どの方向にもスムーズに折りたためる設計になっています。さらに、ディスプレイ全体には格子状とストライプ状の補強パターンが施されており、強度を確保しながらも柔軟に動作するよう工夫されています。
折りたたみスマホの未来
サムスンはこの10年間、折りたたみ技術に積極的に投資してきました。2023年には、内外両方向に折りたためる「Flex In & Out」の試作機を公開しましたが、市販化に関する具体的な発表は行われていません。
今回の360度折りたたみスマホが正式に市場投入されれば、折りたたみスマホの実用性を飛躍的に向上させる可能性があります。これにより、従来のスマートフォンと同等以上の利便性を備えたデバイスとして普及が進むかもしれません。
発売時期についての公式な発表はまだありませんが、この特許はサムスンが折りたたみ技術の限界を押し広げようとしていることを示しています。折りたたみスマホがより成熟するにつれ、将来的には360度折りたためるスマートフォンが標準となる時代が来るかもしれません。