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Googleの次世代モバイルチップ「Tensor G5」に関する詳細なスペックがリークされました。今回の情報によると、Tensor G5はTSMCの最新3nmプロセス(N3E)を採用し、CPUやGPU、TPUが大幅に強化されていることが判明しています。前世代のTensor G4との違いや、Snapdragon 8 Gen 3との比較も交えながら、その特徴を詳しく見ていきましょう。
Tensor G5のスペック
リークされた情報によると、Tensor G5の主な仕様は以下の通りです。
- 製造プロセス:TSMC N3E(3nmプロセス)
- CPU構成:
- 1× Cortex-X4(3.4GHz)
- 5× Cortex-A725(2.86GHz)
- 2× Cortex-A520(2.25GHz)
- ARM v9.2アーキテクチャ採用
- モデム:Samsung S5400
- GPU:PowerVR D-Series DXT-48-1536(1.1GHz)
- 仮想化対応
- レイトレーシング対応
- FSR(FidelityFX Super Resolution)対応
- TPU(AI処理ユニット):EdgeTPUの改良版
- 18 / 9 TOPSの演算能力
- 10~15%の性能向上
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Tensor G4との比較
前世代のTensor G4は、Pixel 9シリーズに搭載されているチップで、以下のような仕様を持っています。
- 製造プロセス:Samsung 4nm
- CPU構成:
- 1× Cortex-X4(3.1GHz)
- 3× Cortex-A720(2.6GHz)
- 4× Cortex-A520(1.92GHz)
- GPU:Mali-G715
- モデム:Samsung製(型番不明)
Tensor G5では、製造プロセスがTSMC 3nmに移行したことで、電力効率や発熱の改善が期待されます。CPU構成も大幅に変更され、ミドルコアにCortex-A725が5基採用されることで、マルチスレッド性能が向上する可能性があります。また、GPUもMali系からPowerVRへと変更され、レイトレーシング対応など新たなグラフィック機能が追加されました。
Snapdragon 8 Gen 3との比較
興味深い点として、Tensor G5のCPUクロックスピードは、Snapdragon 8 Gen 3とほぼ同じであることが挙げられます。Snapdragon 8 Gen 3の構成は以下の通りです。
- CPU構成:
- 1× Cortex-X4(3.3~3.4GHz)
- 5× Cortex-A720(2.8GHz)
- 2× Cortex-A520(2.3GHz)
基本的なコア構成と動作クロックが非常に近いため、Tensor G5の性能もSnapdragon 8 Gen 3に匹敵する可能性が高いと言えます。特に、製造プロセスの改善により、前世代よりも消費電力が抑えられ、より安定したパフォーマンスが期待できそうです。
まとめ
Tensor G5は、TSMC 3nmプロセスの採用やCPU・GPU・TPUの強化によって、前世代のG4から大幅な進化を遂げることが確実視されています。さらに、クロックスピードやアーキテクチャの面ではSnapdragon 8 Gen 3と肩を並べるスペックとなっており、Pixel 10シリーズに搭載されれば、Android市場における競争力が大きく向上する可能性があります。今後の正式発表が待たれるところです。