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Appleが日本のデジタル庁と協力し、iPhoneの「ウォレット」アプリでマイナンバーカードを利用できる機能を2025年春後半から導入することを発表しました。そして、昨晩リリースされたiOS 18.4のベータ版にマイナンバーカードに関するコードが含まれていることが判明し、iOS 18.4の正式リリースと同時に対応が開始される可能性が高まっています。
iOS 18.4ベータ版に「マイナンバーカード」関連のコードを発見
リバースエンジニアのAaron氏によると、開発者向けに公開されたiOS 18.4のベータ版の内部コードに、マイナンバーカードのAppleウォレット対応を示唆する記述が見つかりました。これにより、Appleがこの機能の準備を進めていることが明らかになりました。
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また、確実ではないものの、正式リリースまでの間に対応が進む可能性があります。
Appleウォレットにマイナンバーカードが追加可能に?
iOS 18.4の正式リリースとともに、日本のiPhoneユーザーは以下のような活用が可能になる見込みです。
- コンビニで住民票や印鑑登録証明書を取得
- マイナポータルを通じた行政サービスの利用
- 医療機関での本人確認
- iPhoneを非接触リーダーにかざして簡単に身分証明
この機能が実装されれば、物理的なマイナンバーカードを持ち歩かずに、iPhoneだけで身分証明が完結する利便性が得られます。
Appleと日本政府の協力で実現
Appleは、日本政府のデジタル庁と連携し、マイナンバーカードのAppleウォレット対応を進めています。デジタル庁の河野太郎大臣も、この取り組みについて次のように述べています。
「現在、日本のIDカードであるマイナンバーカードは、1億人以上の国民のみなさまに申請いただき、様々な官民のオンラインサービスをはじめ、約6万を超えるコンビニで行政サービスを受けられるなど、日常生活で広く利用されています。デジタル庁は、スマートフォンを基盤とした世界をリードする安全で便利なデジタル社会を、構築してまいります」
また、AppleウォレットのApple Payおよび身分証明書機能を担当するバイスプレジデントのジェニファー・ベイリー氏も、次のようにコメントしています。
「Appleウォレットの身分証明書機能の米国外への展開は、私たちのビジョンにおいて重要なステップです。iPhoneに組み込まれたセキュリティとプライバシー保護の機能を最大限に活用しながら、日本のみなさんにシームレスで便利な身分証明の方法を提供できることを大変嬉しく思います」
セキュリティとプライバシーを重視
Appleは、ウォレット内での身分証明書利用において高いプライバシー保護を実現しています。
- 提示履歴はデバイス内にのみ保存され、Appleも閲覧不可
- iPhoneを紛失した場合は「探す」アプリでロック・リモート消去が可能
- ISO 18013-5およびISO 23220の国際規格に準拠
これにより、物理的なマイナンバーカードよりも安全かつ利便性の高いデジタル身分証明の仕組みが提供されることになります。
いよいよiOS 18.4で実装か
iOS 18.4のベータ版にマイナンバーカード対応のコードが含まれていることが明らかになったことで、Appleが正式リリースに向けて準備を進めていることは間違いありません。