Googleが先月、Pixel 4a向けに予期せぬバッテリー関連アップデートを配信しましたが、このアップデートによってバッテリーの使用可能容量が40%以上減少したとの報告が相次いでいます。さらに、一部の機能が削除されるという変更も含まれていました。
アップデートでバッテリー駆動時間が激減
Googleは今年1月初旬にPixel 4a向けに新たなアップデートをリリースしました。公式には「バッテリー性能の安定性を向上させる」ことが目的と説明されていましたが、注意書きには「バッテリー持続時間が短くなる可能性がある」との記載がありました。
アップデート後、多くのユーザーがSNSやフォーラムでバッテリー駆動時間の急激な短縮を報告しています。アップデート前は1日持っていたバッテリーが、わずか8時間しか持たないという声もあれば、さらに深刻なケースも見られます。
こうした影響を受けたユーザー向けに、Googleは無料のバッテリー交換やGoogleストアで使えるクレジット、50ドルの補償金を提供しています。
変更の理由は不明だが、技術的な詳細が判明
Googleは、なぜこれほど大きな変更を行ったのかを公式に説明していませんが、Linux開発者のHector Martin氏によると、今回のアップデートでバッテリーの最大充電電圧が4.45Vから3.95Vに引き下げられたとのことです。Android Authorityの調査では、この0.5Vの引き下げがバッテリーの使用可能容量を44%も減少させたとしています。
削除された機能も複数存在
このアップデートで削除された機能は以下の通りです。
- アダプティブ充電(バッテリー寿命を延ばすための機能)
- 充電完了までの推定時間表示
- ステータスバーのバッテリーパーセント表示の新規設定(すでに設定していたユーザーには影響なし)
一部ユーザーは、アップデート後にバッテリーインジケーターが誤った残量を表示していると感じており、これが今回の変更の理由の一部かもしれません。
今後の対応とユーザーへの影響
Googleは今回のアップデートを「緊急メンテナンスリリース(Emergency Maintenance Release)」と位置付けています。この特別なビルドは通常よりも認証プロセスが簡略化されるため、より迅速に配信されましたが、その背景は依然として不明です。
Pixel 4aのソフトウェアサポートは2023年に終了していますが、今回のアップデートでバッテリーに不満を抱いたユーザーにとっては、そろそろ新機種への乗り換えを検討するタイミングかもしれません。なお、影響を受けたユーザーは、Googleサポートに問い合わせることで無料バッテリー交換の対象となる可能性があります。