Snapdragon 8 Eliteに「7コア」版が存在!その狙いは?

2025年1月、クアルコムの最新フラッグシップSoC「Snapdragon 8 Elite」に、新たに7コア版のモデルが追加されたことが公式サイトで明らかになりました。従来の「Snapdragon 8 Elite」は8コア構成が特徴でしたが、今回の新モデルは若干異なる仕様となっています。


7コア版の詳細スペックとは?

この新しいSnapdragon 8 Eliteの型番は「SM8750-3-AB」となっており、CPUの構成は以下の通りです:

ちなみにレギュラー版のSnapdragon 8 EliteのPart Numberは「SM8750-AB」です。

  • プライムコア:2基(最大4.32GHz)
  • パフォーマンスコア:5基(最大3.53GHz)

通常版の8コアモデルでは、パフォーマンスコアが6基搭載されていましたが、この新モデルでは1基が削減されています。結果として「7コア」という珍しい構成が生まれました。

ただ、調べてみるとこの7コア版のSnapdragon 8 Eliteの存在はレギュラー版発表の10月の時点で公式に明らかになっていた模様。


なぜ7コア版が登場したのか?

クアルコムがこのモデルを投入した背景には、製造工程での「歩留まり」が関係していると考えられます。半導体チップの製造過程では、すべてのコアが完全に動作するとは限りません。そこで、不完全なチップをそのまま廃棄するのではなく、一部のコアを無効化した状態で製品として出荷する「ビンニング」という手法が採用されることがあります。

7コア版Snapdragon 8 Eliteも、このビンニングの結果として生まれた可能性が高いです。このアプローチにより、製造コストを削減しつつ、新たな市場ニーズに応えるモデルを提供できるわけです。


どんなデバイスに採用されるのか?

この7コア版は、価格を抑えたいOEMメーカー向けに提供されると見られます。たとえば、ハイエンドとミッドレンジの中間に位置するデバイスや、特定のパフォーマンスを必要としない製品に最適です。一部のユーザーにとっては、8コアモデルとの違いを感じられない場合もあるため、コストパフォーマンスを重視する市場では一定の需要が期待されます。

ただ、準ハイエンド、もしくはアッパーミドル機向けにはSnapdragon 8s Eliteも存在するので、この7コア版Snapdragon 8 Eliteとどういった差別化がされるのかが気になるところです。


市場での受け入れは?

ただし、このモデルがどれだけ受け入れられるかは未知数です。一部のユーザーやメディアは「通常版よりも性能が劣る」と判断してしまうかもしれません。一方で、日常的な使用では違いを実感できないユーザーにとっては十分な性能を発揮し、価格面での魅力が評価される可能性もあります。


まとめ

Snapdragon 8 Eliteの7コア版は、製造効率の向上と市場ニーズの多様化を反映した新しいアプローチと言えます。ハイエンド市場での主力モデルにはならないかもしれませんが、コスト重視のデバイスに採用されることで、新たな選択肢を提供するでしょう。

今後、この7コア版を搭載したデバイスがどのように登場し、どの程度の反響を得るのか注目していきたいところです。

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