今日ではどんな廉価モデルのスマートフォンにも搭載されているGPS機能。
Googleマップや他のナビゲーションアプリ、一部ゲームなどなど、スマートフォンの様々な利便性を享受するためにはなくてはならない機能ですが、その精度・性能については機種によってバラつきがあることはよく知られています。
中でも、機種の価格帯の違いよってこのGPS性能にどの程度の違いが出るのか、という点は特に気になるところです。
そんな中、DXOMarkが非常に興味深いスマホのGPS位置情報の精度に関するテストを行っていました。
ハイエンドモデルから廉価モデルまで、計15台のスマートフォンを車のダッシュボードに装着。
対象機種は記載されていませんが、画像内にはXperia 5 IIや、Galaxy S22、Pixel 5、Xiaomi/Redmi、Oppo、Motorolaなどの端末が映っており、価格的にもかなり多様なラインナップとなっています。
そして車の屋根には「リファレンス機」として誤差値が4センチ以下と言われている「Geoflex test platform」を搭載
そして具体的なテスト方法としてはこのリファレンス機の正確な位置情報と各機種の位置情報との誤差を計測する、というもの。
そして以下がその結果:
最も正確な「Device 1」と最も不正確な「Device 15」とではエラー値に8倍以上の違いが出ており、距離にすると20メートル以上。
今回のテスト、どのモデルがどのディバイス番号のものかが示されていないのは残念な点。
ただ。総合的な評価として「より高速なプロセッサ、より優れたアンテナ、より多くのコンステレーション、デュアルバンドを備えたハイエンドのスマートフォンは、より経済的なモデルよりも優れたGPSの結果を示しました」とのこと。
よって、基本的にはエラー値の低い機種がハイエンド、そして下に行くほど価格の安いモデルとみて良いと思われ、結論としては端末の価格、あるいはスペックとGPS位置情報の精度は比例する、ということになります。
一方、今回の「テストドライブ」は障害物のない場所、ビルなどが立ち並ぶ比較的障害物の多い場所、そしてトンネルなど、GPSシグナルを細くできない場所など、様々な場所で行われ、興味深いのはハイエンドモデルと廉価モデルの位置情報取得性能の差がGPSシグナルを補足しにくい場所ほど顕著だった、という点。
以下はトンネル内での位置情報をドットとラインで示したもので、Device 15(青)は完全に「迷子」になっているのが分かります。
つまり、トンネル内などGPSシグナルを受けられない場所では、加速度センサやジャイロセンサーによる位置情報の「予測性能」が重要に。
そして、こういった場面でこそ、GPS「以外」の高性能なセンサーを搭載しているハイエンドモデルの方が位置情報を正確に割り出す、という事だと思います。
また、ビルに囲まれた市街地でも、Device 15は広めの道一つ分、位置情報がズレているのが分かります。
こう見ると、ハイエンドモデルのGPS・位置情報機能は市街地でほどその性能を発揮する、ということになり、街中でナビやマップをよく使う、という方にとっては特に重要かもしれませんね。
ソース:DXOMark
コメント