10月21日に国内4キャリアからリリースされるソニーの新型モデル、Xperia 5 IV。
同モデルに搭載のチップセットは兄弟モデルのXperia 1 IVと同じレギュラーのSnapdragon 8 Gen1ですが、今回、すでにリリース版の海外モデルのXperia 5 IVとXperia 1 IVのベンチマークスコアを比較することで、少し興味深い事実が判明しました。
Xperia 5 IVはXperia 1 IVよりスロットリングが控えめ
まずはXperia 1 IVとXperia 5 IVのGeekbench期近50回分の比較(マルチコアの平均と標準偏差)。
Xperia 1 IV | Xperia 5 IV | |
シングルコア(平均) | 1147 | 1182 |
シングルコアの標準偏差 | 124 | 71 |
マルチコア(平均) | 3239 | 3382 |
マルチコアの標準偏差 | 323 | 114 |
シングルコア、マルチコアの両方でXperia 5 IVの平均ベンチマークスコアが高め、というのも重要なのですが、それよりも注目すべきはそれぞれの標準偏差。
これは50回の測定毎のスコアのばらつきを示したもので、値が大きいほど測定毎のスコア差が大きい、つまり性能が不安定ということになります。
そしてXperia 5 IVと1 IVのマルチコアの標準偏差を比べると3倍近い差がでており、Xperia 5 IVの方がシステムの安定性が高い、といえます。
実際、それぞれの50回分のスコア(マルチコア)をヒストグラムにすると:
Xperia 5 IVでは50回の測定で、ほぼすべてのスコアが3100~3600ポイントの間に収まっていますが、Xperia 1 IVは3100を下回るケースが多くあるのが分かります。
実際、Xperia 5 IVの50回の測定結果のうち、スコアが3000未満となっているのは1回のみ。対するXperia 1 IVでは3000未満のスコアを6回も記録しています。
Xperia 5 IVはXperia 1 IVより発熱に強い?
Snapdragon 8 Gen1の平均的なGeekbenchのマルチコアは3400前後。
これが2000ポイント台という極端な低スコアになる、というのはシステムがCPUの動作に制限をかけている、つまりスロットリングが頻繁にかかっている、といえると思います。
そしてシステムがスロットリングをかけるのは発熱を抑えるため。
つまり、Xperia 5 IVはXperia 1 IVはスロットリングが控えめ、そして発熱に強い、ということになります。
これについてはXperia 5 IVは何らかの理由でそもそも発熱をしにくいのか、それとも構造的に放熱性能が優秀なのかは分かりません。
ただ、いずれにせよ、機種全体の性能の安定性、という点では兄弟モデルでもXperia 1 IVよりXperia 5 IVの方が優秀、と言えそうです。
データソース:Geekbench
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