クアルコムの最新ハイエンド向けチップセットと言えばSnapdragon 8 Gen1。
国内では今のところXperia 1 IVやGalaxy S22/S22 Ultraなどが同チップセットを搭載して発売済みで、夏以降にはさらにリリースされる機種が増えると思われます。
一方、先日、たまたまAntutuの公式サイト上でこのSnapdragon 8 Gen1搭載機のベンチマークスコア・ランキングを見ていたところ、少し気になる点がありました。
同一チップ搭載機種でも性能差が拡大
まず、AntutuのベンチマークスコアランキングでSnapdragon 8 Gen1搭載機のスコアを比較。
最も高いスコアはゲーミングスマホ、Red Magic 7の約104万ポイント。最も低いスコアはGalaxy S22 で、その差は約21万ポイント。最高ポイントを記録している機種と最低スコアのものの間では3割近いスコア差がでています。
一方、このSD8Gen1も含め、昨年のSnapdragon 888搭載機種、一昨年のSnapdragon 865搭載機種のそれぞれの最高・最低スコア機種を一覧にすると:
最高スコア | 最低スコア | スコア差 | スコア差% | |
SD865 | Xiaomi Mi 10T Pro 5G 697021 | LG V60 ThinQ 5G 626384 | 70637 | 11% |
SD888 | iQOO 9 SE 829077 | Galaxy S21 5G 707056 | 122021 | 17% |
SD8G1 | Red Magic 7 1042141 | Galaxy S22 5G 829933 | 212208 | 26% |
ご覧のようにSD865→SD888→SD8Gen1で大きく「性能格差」が広がっているのが分かります。
ちなみに、このAntutuのベンチマークスコアランキングは最低でも1000回のスコア計測結果の平均値を使っているとのことなので、統計的には十分有用なデータだと思います。
性能格差拡大の背景にはチップセットの発熱問題あり?
この性能の「格差拡大」ですが、原因は何なのでしょう?
ここからはあくまで推測ですが、私はチップセット「発熱」がキーになっているような気がします。
というのも、Snapdragon 8 Gen1は過去数世代のスナドラ8シリーズの中で最も発熱が大きく、搭載機種のリリース当初より懸念事項に。
(実際、国内でも発売直後のXperia 1 IVの発熱は結構な話題となっている模様)
そのため、放熱・排熱性能が優秀な機種はチップセットの能力を大きく引き出すことができるのに対し、排熱機能がイマイチで端末が熱を持ちやすい機種だと発熱を抑えるため、スロットリングを積極的に行う必要がでてきます。
そしてベンチマークスコア測定でもスロットリングをすれば当然その分スコアは低くなるので、放熱・排熱性能の差がベンチマーク性能の差として表れる、ということではないでしょうか。
ソース:Antutu
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