ここ数年、国内でキャリア版だけでなく、SIMフリー版も展開しているXperia。
キャリア版が先行、SIMフリー版が数か月遅れて発売というリリース時期のずれはありますが、最新のXperia 5 IIIも先日、SIMフリーモデルが発売されました。
そんな中、総務省が4月25日に行われる「競争ルールの検証に関するWG(第29回)」の配布資料の一部として、Xperiaのキャリア版とSIMフリー版の「対応周波数の違いによる端末価格の比較」という興味深い資料を公開していました。
キャリア版はSIMフリー版より対応バンドは少ないのに価格は高い
Xperia 1 III、5 III、5 IIのキャリア版(ドコモ、au、ソフトバンク)とSIMフリー版の価格と対応周波数の違いを比較したもの。
ご覧のようにいずれに機種でもキャリアの(平均)価格はSIMフリー版よりも1万円前後高くなっています。
ところが、通信における対応周波数(バンド)を比較すると:
重要度が低いと言われているバンド11を除き、キャリア版がカバーしていてSIMフリー版がカバーしていないバンドはありません。
つまりSIMフリー版のXperiaは基本的に3キャリアのXperiaのすべてのバンドをカバーしている、ということに。
ちなみにこれら3モデルにおいてはSIMフリー版もFelicaに対応しており、キャリア版との間で対応バンド以外でのスペックの違いはありません。
つまりこの資料のポイントはキャリア版Xperiaは対応周波数という点でSIMフリー版よりも劣っており、他の点では同スペックなのに価格が高い、という点です。
対応バンド制限撤廃議論への布石?
ここ最近話題となっているキャリアによる対応バンドの制限問題。
2021年10月以降、原則としてキャリア機種もSIMロックが禁止となったものの、各キャリアは他キャリアで使われている一部のバンドを非対応にすることが多く、これが事実上の新たな”キャリア縛り”である、という議論です。
一方、前回の「競争ルールの検証に関するWG(第28回)」では各キャリアが「対応周波数は端末メーカーが決めており、制限を依頼することもない」と回答。つまり、この悪しきキャリアのバンド制限は「メーカーが勝手にやっていること」というのがキャリア側の言い分です。
さらにドコモは対応バンドを増やすと「端末価格の上昇やきょう体が大きくなるなど商品性が低下する可能性がある」といった説明をしたと言われています。
一方、今回の資料ではソニーがバンドを「フル対応」させて、さらにキャリア版よりも低価格で展開していることを示しています。
つまり、私は今回はこの資料を使って「じゃあなんでSIMフリー版は対応バンド数が多いのに安くできているの?」という点が議論されるのでは?と勝手に想像しています。
一方、Xperiaのキャリア版とSIMフリー版でこのような対応バンドの違いや価格差があることは多くのユーザーが知っていたことだと思います。
ただ今回、総務省がこういった資料を作成して、いかにXperiaをはじめとする多くのキャリア版機種がが割高なのにもかかわらず、バンド制限による「不利益」が大きいかという点に注目した意味は大きいと思います。
ソース:総務省
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