昨日、国内版のXperia 1 IIIおよびXperia 5 IIIに提供が開始されたAndroid 12アップデート。
今回はソフトバンク版が先行、という少し珍しいパターンになっていますが、おそらく他キャリアのXperia 1 III/5IIIでも近日中にアップデートが提供されると思われます。
今回のAndroid 12アップデート、UIの大幅な変更などが話題となっており、Xperia独自機能でもいくつかの追加機能・新機能も。
一方、このバージョンアップでは少し気になる「通信周り」の仕様変更も行われており、これにより通信速度への影響が出る可能性があるようです。
Xperia 5 IIIだけが5G SAへ対応
今回のXperia向けAndroid 12アップデートではXperia 5 III「だけ」がソフトバンクが春に開始する5G SA (スタンドアローン)に対応する、のこと。
なぜハード的にはほとんど同じと言われているXperia 1 IIIはNSAのままで、Xperia 5 IIIだけがSA対応になったのかは謎です。
SAは基本的には「真の5G」と呼ばれており、従来のNSAと比べて多くのメリットがあるといわれています。
一方、SAはNSAと比べて少なくともサービス開始当初は通信速度がNSAよりも大幅に落ちる、ともいわれています。
以下はITmedia Businessの記事からの抜粋:
NSA方式では5G用の周波数帯域に加え、4G用の帯域も活用することで通信速度を上げている。5G SAは5G専用の周波数帯域のみで提供されるため、NSA方式の最大速度には及ばない。速度を上げるには、5Gで使う周波数帯域を増やす必要がある。
引用元:これが“真の5G”? 携帯電話キャリアが始めた「5G SA」とは
また、ソフトバンクでのNSA/SAでの通信速度の違いに関する情報は見つけることができませんでしたが、ドコモの場合:
NTTドコモの事例を挙げますと、現在NSA運用で提供されているコンシューマー向け5Gの通信速度は受信時最大4.2Gbpsですが、法人向けに提供しているSA運用のサービスにおける通信速度は受信時最大1.7Gbps。
引用元:これが“真の5G”? 携帯電話キャリアが始めた「5G SA」とは
NSAよりもSAの方が通信速度が遅い、というのは世界的に問題視されているようで、これはソフトバンクでも似たようなものではないかと思われます。
だとすると、春以降、Android 12アップデートでSA対応となってしまうXperia 5 IIIの5G通信速度はAndroid 11の時と比べて半分以下になってしまう可能性がある、ということに。
もちろん、5G環境の整備が進むにつれ、この状況は変わっていくと思われますが、現状で5G SAの通信速度が平均的に5G NSAと同程度、あるいはそれ以上となるのにどれくらいの時間がかかるのかは不明です。
SA/NSAの選択は可能?
一方、今回のソフトバンクからの情報では:
現在提供中のノンスタンドアローン方式による5Gサービスに加え、スタンドアローン方式による5Gサービス(2022年春以降開始予定)のご利用が可能になります。
また、SAを利用するには「5Gスタンドアローンに対応したUSIMカード」が必要、とのことなので、春から勝手にNSA→SAに変更される、ということではなさそう。
つまり、少なくともAndroid 12アップデートによって自動的に強制SA対応、ということではありません。
ただ、SA対応のSIMカードでSAとNSAの切り替えができるのかは現時点では不明なので、これについては確認する必要がありそう。
なお、今回の仕様変更がソフトバンク版だけのものなのか、他キャリアのXperia 1 III/5 IIIでも同様の変更がされるのかは不明。
また、ドコモやau版ではXperia 5 IIIだけでなくXperia 1 IIIも5G SA対応となってしまう可能性も。
(実際、KDDIは数日前にAbemaTVが運営する「ABEMA」で生配信される映像の一部を、「Xperia 1 III」をベースに5G SAに対応させた端末を通じて中継するというデモを行っています)
ソフトバンク版以外のXperia 1 III/5 IIIにも近々Android 12アップデートが提供されると思われますが、5G通信環境でよく使用する、という方はアップデートが下りてきても少し様子見をするのが賢明かもしれませんね。
なお、Xperia 5 IIIがアップデートで5G SA対応となった、ということは次世代モデルのXperia 1 IVおよびXperia 5 IVに関してはどのキャリアのバージョンもデフォルトで対応、とみてよさそうです。
ソース:Softbank
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