
Apple初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」で報告されている画面破損問題をめぐり、新たな情報が明らかになりました。中国メディアの界面新聞によると、製造を担うFoxconn(富士康)の従業員は、Appleが供給量を確保するため品質検査基準を一部緩和したことがあると説明したほか、ヒンジの構造に原因があるとする既存の分析にもおおむね一致する見解を示したといいます。生産ラインでは関連部品の緊急交換も行われたとされ、問題は製造現場の対応という新たな局面を迎えています。
Foxconn従業員が品質検査基準の緩和に言及
iPhone Duoでは発売直後から、折りたたみ部分を中心にディスプレイが破損したとの報告が相次いでいます。中国・上海のApple Storeで確認された事例や、オーストラリアのユーザーがRedditに投稿した事例などが報じられ、画面に亀裂や表示異常が発生するケースが注目を集めていました。

今回、界面新聞が取材したFoxconn従業員は、生産能力が逼迫するなか、Appleが供給量を確保するために品質検査基準を一部緩和したことがあると説明しています。同従業員は、こうした対応によって画面に問題を抱えた端末が市場に流通する可能性が高まるとの見方も示したといいます。
ただし、品質検査基準の緩和が今回の画面破損に直接つながったのかは明らかになっていません。また、Appleが基準の緩和を公式に認めたわけでもありません。現時点では、従業員の証言として慎重に受け止める必要があります。
画面破損の原因はヒンジ内部の構造か
同従業員は、画面破損の原因についても、これまでに指摘されてきた分析とおおむね一致する見解を示したとのことです。
修理情報サイトのiFixitは、端末を閉じた際に中央の支持部品が適切に収納されず、ディスプレイに過度な圧力がかかる可能性を指摘していました。また、ヒンジの動きを制御する湾曲したガイドレールが想定どおりに動かなければ、周囲の部品が画面に干渉する可能性もあるとしています。
iPhone Duoのヒンジは、歯車やバネ、金属製の接続部品などを組み合わせた精密な構造です。水滴型の折りたたみ機構をベースに、湾曲したガイドレールによって関節の動きを制御する設計とされています。
これまでのユーザー報告では、端末を数回から数十回ほど開閉した段階で異音が発生し、その直後に画面が破損したとする事例も伝えられています。ただし、実際にどの部品が不具合を引き起こしているのかは、まだ確定していません。
生産ラインでは部品を緊急交換か
界面新聞によると、Foxconnの従業員は、問題への対応としてiPhone Duoの生産ラインで一部部品を緊急交換したとも説明しています。一方、現在の生産に支障は出ておらず、出荷に向けた在庫確保の計画にも変更はないとのことです。
また、同メディアが複数の販売業者に確認したところ、不具合のある端末が発生する頻度は高くなく、販売後の対応で大きな問題が起きている状況でもないとされています。現時点で、画面破損が広範囲に発生していると判断できるだけの情報はありません。
界面新聞は、iPhone Duoの年内の出荷準備台数が750万台規模になるとの関係者の見方も伝えています。ただし、これは報道に基づく情報であり、Appleが公表した正式な出荷計画ではありません。
iPhone DuoはAppleにとって初の折りたたみスマートフォンであり、折りたたみ市場での競争が激しくなるなか、販売拡大が期待される重要な製品です。一方で、供給量を確保することと品質を維持することの両立も求められます。
今回の報道で注目すべきなのは、Foxconn従業員が品質検査基準の一部緩和に言及したことに加え、ヒンジ原因説に近い見解を示し、生産ラインで部品交換が行われたと伝えられた点です。証言だけで不具合の原因や品質管理上の問題が確定したわけではありませんが、今後、Appleが画面破損の原因や対策についてどのような説明を行うのかが注目されます。


