
GoogleはAndroidの連絡先管理に関する権限の仕組みを見直し、アプリが連絡先を追加・編集できる範囲を、より細かく制御できるようにする計画です。現在は1件の連絡先を変更するだけのアプリにも、端末内の連絡先全体を書き換えられる権限が与えられる場合があります。今後は必要な連絡先だけを操作できる仕組みを導入し、不正な書き換えなどのリスクを抑える方針です。
この変更はAndroid 18に向けた取り組みとして進められており、一部の基盤機能は2026年後半に提供予定のAndroid 17 QPR2から導入されるとされています。
連絡先の編集権限を1件単位に制限
現在のAndroidでは、アプリが連絡先を追加・編集するために「WRITE_CONTACTS」権限を取得すると、基本的に端末内の連絡先全体を変更できる状態になります。
そのため、特定の連絡先を1件だけ更新したいアプリであっても、多数の連絡先をまとめて変更できるアプリと同じ種類の権限が必要でした。

Googleはこの仕組みを見直し、アプリが連絡先を1件ずつ追加・編集するための標準的な仕組みを整備します。アプリは必要な操作をシステムに要求し、ユーザーが対象となる連絡先を指定する形にすることで、無関係な連絡先まで変更されるリスクを減らせるようになります。
なお、Android 17では、アプリが連絡先を読み取る際のアクセス制御についても改善が進められています。今回の変更は、連絡先を読み取るだけでなく、書き換える際の権限も細分化するものです。
連絡先を書き換える悪質アプリへの対策
連絡先への広範なアクセスを制限する理由の一つは、悪意のあるアプリや不正に改変されたアプリによる被害を防ぐことです。
例えば、アプリが保存済みの連絡先を一括で書き換え、家族や知人の名前に偽の電話番号を登録した場合、ユーザーが気付かないまま詐欺の連絡先へ電話をかけてしまうおそれがあります。
GoogleのAndroid関連情報を発信するMishaal Rahman氏も、Xへの投稿で今回の変更を取り上げています。アプリが必要とする範囲にアクセスを限定することで、こうした不正な操作の影響を抑えられると考えられます。
一括編集が必要なアプリには専用権限を用意
一方、すべてのアプリが連絡先を1件ずつしか編集できなくなるわけではありません。Googleの連絡先アプリのように、多数の連絡先をまとめて管理する正当な用途もあるためです。
こうしたアプリ向けには、「MANAGE_CONTACTS」という新しい権限が用意されます。この権限を利用することで、連絡先を一括で管理する機能を引き続き提供できるようにする方針です。
この専用権限はAndroid 17 QPR2で導入される予定で、Android 18に向けた新しい連絡先管理の仕組みを支えるものとなります。
アプリ開発者側にも対応が必要に
今回の変更では、ユーザーが設定を細かく変更するというよりも、アプリ開発者側が新しい仕組みに対応することが重要になります。Android 18を対象とするアプリでは、従来の広範な権限に頼るのではなく、個別の連絡先を追加・編集するための仕組みを利用することが求められます。
連絡先は、電話番号だけでなく、家族や友人、仕事関係者とのつながりを管理する重要な情報です。アクセス権限を必要な範囲に限定する今回の取り組みは、アプリの利便性を保ちながら、連絡先を悪用した詐欺などの被害を防ぐための対策となりそうです。

