
Qualcommは、プレミアムオーディオ向けプラットフォームの新世代モデルとなるSnapdragon Sound Elite Gen 2を発表しました。ワイヤレスオーディオの高音質化に加え、端末上で動作するAI機能にも注力しており、イヤホンやオープンイヤー型デバイス、AIグラスなどへの搭載が想定されています。
今回のプラットフォームでは、音楽や動画、ゲーム、通話などをより高い音質で楽しめるようにするとともに、ユーザーの状況や周囲の環境に応じて音声体験を調整する「コンテキスト対応」の機能も盛り込まれています。
aptX Losslessと適応型ANCに対応
Snapdragon Sound Elite Gen 2の中心となるのが、ワイヤレス環境での高音質化です。Qualcommは、音楽や音声、映画、ゲームなど幅広いコンテンツで臨場感のある高忠実度のサウンドを実現すると説明しています。
aptX Losslessにも対応しており、対応機器との組み合わせでは音源をビット単位で忠実に伝送できるとしています。Wi-FiとBluetoothの双方を活用しながら、高品質なオーディオ体験を維持することも特徴です。

さらに、適応型ANC(アクティブノイズキャンセリング)と「コンテキスト対応リスニング」を組み合わせ、ユーザーが何をしているのか、周囲がどのような環境なのかを考慮しながら音声体験を調整します。
単に周囲の雑音を消すだけではなく、状況に応じて必要な音を聞き取りやすくすることを狙った設計といえます。
オーディオ機器にも個人AIを搭載
もう一つの大きな特徴が、パーソナルAIへの対応です。Snapdragon Sound Elite Gen 2は、端末上のAIとクラウド接続を組み合わせることで、ユーザーからのリクエストに継続的に応答できるプラットフォームとして設計されています。
例えば、翻訳や情報の検索などを音声で依頼できるほか、ユーザーの活動状況や周囲の環境を考慮しながらAIが支援することも想定されています。
Qualcommは、こうしたAI機能を常時利用できることを重視しており、Wi-Fi 6Eによるクラウドへの直接接続にも対応します。これによって、AI処理を必要に応じてクラウドと連携させながら、イヤホンなどの小型デバイスでもパーソナルAIを利用しやすくする狙いです。
消費電力は従来世代から最大40%削減
高音質化やAI機能の強化で気になるのが消費電力ですが、Qualcommによると、Snapdragon Sound Elite Gen 2は従来世代と比較して最大40%の消費電力削減を実現しています。
イヤホンやウェアラブル機器ではバッテリー容量が限られるため、AIや高音質処理を追加しながら消費電力を抑えられるかどうかは重要なポイントです。
Qualcommは、このプラットフォームをプレミアムAIイヤホンだけでなく、オープンイヤー型デバイス、オーディオグラス、カメラ搭載イヤホン、補聴・ウェルネス機器などにも展開する考えです。
Snapdragon Sound Elite Gen 2は、単純に音質を向上させるだけでなく、AIを組み込んだ次世代のオーディオプラットフォームを目指した製品となっています。今後、このチップを採用したイヤホンやウェアラブル機器が登場すれば、音楽を聴くためのデバイスから、翻訳や情報検索などもこなすパーソナルAI端末へと、ワイヤレスオーディオ機器の役割が広がる可能性があります。


