
Microsoftが次世代Xbox「Project Helix」で、物理ディスクを利用できる機能についてユーザーに尋ねていると報じられました。現時点でProject Helixのディスクドライブ搭載は決まっていませんが、今回の調査が行われたタイミングは興味深いものです。ソニーがPS向け新作ゲームのディスク生産を2028年1月から終了すると発表し、物理メディアを求めるユーザーから反発が出る中、Microsoftがあえて物理ディスクの必要性を確認している可能性があります。
次世代Xboxに物理ディスクは必要?
海外メディアPower Up Gamingによると、Xbox Insider Hubで次世代Xboxに求める機能についてのアンケートが実施され、その中に物理ディスクからゲームをインストールする機能についての質問が含まれていたとされています。

アンケートでは、候補となる機能について「Not Necessary」「Nice to Have」「Must Have」の3段階で必要性を評価する形式になっていたようです。

候補には、プレイ中のゲームに合わせて本体のライティングを変える機能や、ゲームプレイ中のハイライトを自動的に検出して保存する機能なども含まれていました。
その中で特に注目されるのが、次世代Xboxで「物理ディスクからゲームをインストールする」機能です。
もし今回のアンケートがMicrosoftによる正式な調査であれば、少なくとも同社はProject Helixについて、物理ディスク対応を完全に選択肢から外してはいないと考えられます。
ソニーのPSディスク廃止後というタイミング
今回の動きを考えるうえで重要なのが、ソニーのPSにおける物理ディスクの方針です。
ソニーは2026年7月、2028年1月からPlayStation向け新作ゲームの物理ディスク生産を終了すると発表しました。2028年1月以降に発売される新作は、PlayStation Storeだけでなく小売店でもデジタル形式で販売されることになります。なお、それ以前にディスク版が発売されるタイトルには影響しないとしています。
この発表に対しては、物理ゲームを求めるユーザーから反発が起きました。実際にPSのデジタル移行に反対する動きも発生しており、9月には米国を中心としたユーザーによるボイコット運動についても報じられています。もっとも、Circanaのアナリストによれば、米国でプレイヤー数やエンゲージメントに目立った変化は確認されなかったとされています。
つまり、PSのディスク廃止に対する反発は確かに表面化しているものの、それがゲーム市場全体を大きく動かしたとまでは現時点で言えません。
Microsoftが反発を意識している可能性も
それでも、Microsoftが今回のような調査を行った背景として、PSをめぐる物理メディアへの反発を意識している可能性は考えられます。
特に、ソニーがディスク生産終了を発表した直後から、MicrosoftのXboxでは既存の物理ディスクをデジタル版として利用できる「ディスク・トゥ・デジタル」機能のテストが始まりました。
Microsoftはこの機能について、長年にわたってユーザーが築いてきたゲームライブラリを将来のXboxでも利用しやすくするための取り組みと説明しています。対応するディスクをXbox OneまたはXbox Series Xに入れることで、デジタル版の権利を取得でき、対応タイトルではXbox Play Anywhereやクラウドゲーミングなどのデジタル機能も利用できます。
この動きだけを見れば、Microsoftは物理ゲームを単純に切り捨てるのではなく、物理とデジタルを組み合わせた方向を模索しているようにも見えます。
そのうえでProject Helixについて「物理ディスクからゲームをインストールする機能」が必要かどうかを調査しているのであれば、PSの方針変更によって顕在化したユーザーの不満や需要を、Microsoftが製品戦略に反映させようとしている可能性もあります。
もちろん、今回のアンケートだけでMicrosoftがソニーのPSディスク廃止に対する反発を狙っていると断定することはできません。Microsoft自身も、Project Helixの具体的なディスク対応についてはまだ明らかにしていません。実際、Xbox CEOのAsha Sharma氏も8月のインタビューで、Project Helixがディスクレスになるかどうかについて明言を避けています。
ディスクドライブがあっても新作の物理版が出るとは限らない
また、Project Helixにディスクドライブが搭載されたとしても、今後も新作ゲームのパッケージ版が発売されるとは限りません。
例えば、過去のXboxタイトルを所有しているユーザーが手持ちのディスクを利用するためだけにドライブを搭載することも考えられます。新作はデジタル販売を基本としながら、後方互換性のためにディスクドライブを残すという構成です。
逆に、内蔵ドライブではなく、必要なユーザーだけが利用できる着脱式ドライブを用意する可能性もあります。
そのため、今回のアンケートから分かるのは、Microsoftが少なくとも物理ディスクを完全に無視しているわけではないという点にとどまります。
Project Helixの判断に注目
MicrosoftはProject Helixについて、次世代Xboxを単なるゲーム機ではなく、XboxとWindows PCのゲームを扱う次世代プラットフォームとして開発しています。その中で、ユーザーが現在所有しているゲームをどのように次世代環境へ引き継げるようにするのかは重要なテーマになっています。
ソニーがPSで物理ディスクからデジタル中心へ大きく舵を切る一方、Microsoftがユーザーに物理メディアの必要性を直接尋ねているのであれば、その違いは今後のXboxとPSの戦略を比較するうえでも興味深いポイントになりそうです。
今回の調査がPSのディスク廃止に対する反発を意識したものなのか、それとも以前から予定されていた市場調査なのかは分かりません。ただ、物理ゲームを残してほしいというユーザーの声が可視化されたタイミングでMicrosoftがこうした質問をしていることは、Project Helixの最終仕様を考えるうえで注目すべき動きと言えそうです。

