
Appleが初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」を発表したことで、Samsungの「Galaxy Z Fold8」に追い風が吹いています。Apple製折りたたみiPhoneを待っていたユーザーの一部が、価格や発売時期などを理由にGalaxyへ流れ始めたとみられ、韓国では発表後にFold8の販売台数が増加しました。
iPhone Duo発表後にFold8の販売が増加
韓国の通信業界によると、9月9日(現地時間)にiPhone Duoが発表された翌週、韓国国内におけるGalaxy Z Fold8の販売台数は前週比で約10%増加したということです。
これまでAppleの折りたたみiPhoneを待っていた消費者が、実際の製品発表を受けて購入を決めたとみられます。ただし、選択肢としてApple製品を検討していたユーザーが、そのままiPhone DuoではなくGalaxy Z Fold8を選んだ形です。
背景には、iPhone Duoの高価格に加え、韓国での発売時期も影響しているとみられます。韓国では10月23日に発売される予定で、発表から発売まで1カ月以上待つ必要があります。
一方、Galaxy Z Fold8はすでに販売されているため、折りたたみスマートフォンをすぐに購入したいユーザーにとっては選択しやすい状況です。
韓国では100万ウォン以上の価格差
特に大きいのが価格差です。
iPhone Duoの256GBモデルは韓国で329万ウォンとされているのに対し、Galaxy Z Fold8の256GBモデルは227万8100ウォンです。同じ256GBモデルで比較すると、100万ウォン以上の差があります。
米国ではiPhone Duoの256GBモデルが1999ドル、Galaxy Z Fold8が1899ドルで、その差は100ドルにとどまります。Samsungは韓国や欧州で折りたたみスマートフォンを米国より低い価格で販売しているため、韓国では両モデルの価格差がさらに大きくなっています。
iPhone Duoは2TBモデルになると509万ウォンに達し、一般向けスマートフォンとして初めて500万ウォンを超える価格になったとされています。なお、Galaxy Z Fold8には2TBモデルは用意されていません。
重量や厚さではFold8が優位
ハードウェア面でもGalaxy Z Fold8とiPhone Duoには違いがあります。
iPhone Duoの重量は254gであるのに対し、Galaxy Z Fold8は201gです。折りたたんだ状態での厚さも、iPhone Duoが11.3mm、Galaxy Z Fold8が9.7mmとなっています。
韓国の業界関係者からは、iPhone Duoがソフトウェアによってハードウェア上の制約を補っているとの見方も出ています。iPhone Duoでは、開いた際に一方の画面を暗くすることで独特の表示演出を実現しているとされ、Appleらしいデザイン面での工夫と受け止められています。
Appleにとっては今回が初の折りたたみスマートフォンとなる一方、Samsungは複数世代にわたってGalaxy Zシリーズを展開してきました。そのため、両社の製品には現時点で一定のハードウェア差があると業界関係者は指摘しています。
Apple参入で折りたたみ市場そのものが拡大へ
世界のスマートフォン市場に占める折りたたみスマートフォンの割合は、現在でも約2%にとどまっています。しかし、Appleの参入によって市場そのものが大きく拡大する可能性があります。
Counterpoint Researchによると、世界の折りたたみスマートフォン市場は2026年に24%、2027年には37%成長すると予測されています。累計出荷台数は2026年中に1億台を超える見通しで、2019年に折りたたみスマートフォンが登場して以来、初めてこの規模に到達することになります。
Appleは初年度のiPhone Duoについて最大600万台を出荷すると予測されており、市場シェアは25%に達する可能性があります。Samsungは38%、Huaweiは22%と予測されており、Appleが初参入ながら市場上位に入る規模になるとみられています。
Counterpoint ResearchのLiz Li氏も、初年度は生産台数が限られるものの、Appleが短期間で市場2位の規模に達する可能性は、折りたたみスマートフォン市場に与える影響の大きさを示していると指摘しています。
Appleの参入は、Samsungからシェアを奪うだけではなく、折りたたみスマートフォン自体をこれまで以上に一般的なカテゴリーへ押し上げる可能性があります。今回、iPhone Duoの発表直後にGalaxy Z Fold8の販売が増えたことも、Appleの参入をきっかけに消費者の折りたたみスマートフォンへの関心が高まっていることを示す動きの一つといえそうです。

